俺の隣で寝てるよ「ダメだ、直胤。師弟なのに、こんな…。」
「お師匠は、真面目だなぁ。」
まぁ、そんなところも可愛らしくて好きなんだけどと、後ろから水心子を抱きしめる体となっている大慶は、白くてほっそりとした水心子の首筋に口づける。
暴れるなり、人を呼ぶなり、抵抗しようと思えばできるはずなのに、それをしない水心子の様子を見るに、やはり水心子は、刀工として弟子であった自分のことをかわいがってくれているというのが伝わってくる。今回は、その師匠のやさしさにつけこんでいることとなるが、この際理由はどうでも良かった。
「あっ…。」
「ふふっ、お師匠、かわいい。」
「お願いだ、やめてくれ直胤、私には清磨が。」
甘い空気を感受していた大慶であったが、その水心子の言葉にぴきりと反応した。
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