オメガバハルペパ「……ッ…ぁ、ぐ、…はぁ…っ」
―――身体が、熱い。頭も、ぼんやりする。
「…っ…はぁ…ッ…ロト、ム…今日、ハルト、…何時に帰ってくる……?」
野菜を切っていた手を止めて、何とか包丁を落とさない様にしてその場にずるずると崩れる。膝に力が入らない。
…折角、料理の専門的な知識を学べる学校に入る事が出来たのに、課題の提出期限だってあるのに。それでも周期のことを考えて、一週間の休みを貰った。
予定通りに現れた症状なのに、抑制剤を飲んではいるものの所詮は気休め程度で、その証拠に身体は熱くなる一方で。
『ハルトの帰宅予定時刻まで、約あと30分ロト!』
そう元気に返答するロトムの声を聴きながら、わかった、と短く答えて、ずるずると身体を引きずる様にして寝室へ向かう。
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