太陽が眩しい夏の盛り。レオナの洗濯物を畳んでいたラギーがふと、次の休日はバイトが入っていないのだと言ってきた。レオナは珍しい事もあるものだと思いつつベッドに寝転んだまま、なんとも無しに「なにか予定でもあるのか」と投げかけると、少しの沈黙の後、これまた想定外の答えが返ってきた。
「特に予定は入れて無いんスけど。折角ならどっかに遊びに行きたい…かも」
ラギーといえば、少しでも時間が空けば何か割の良いバイトがないか求人サイトと睨めっこしたり、モストララウンジに臨時でシフトを入れられないかアズールと交渉したり、はたまた植物園での秘密の仕事…もといマンドラゴラの栽培に勤しむのが通例だ。てっきり今回も同じ答えが返ってくるかと思ったレオナは少々面食らい、反射的に浮かんだ「どこかって、どこだよ?」という疑問を、しかし吐き出さぬまま口を閉じた。
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