一番は譲れない 11月28日。
朝早くから始まった撮影は、日付を超えるギリギリ前に終わった。誕生日を迎えるトウマへの配慮なのか、全員がなんとか今日中に終わらせようと奔走した1日だった。
スタッフたちのお疲れ様でしたという声を浴びながら、お疲れ様でしたとありがとうございましたを繰り返し口にして、軽く会釈をしながらトウマはスタジオを出た。
手には日ごろから付き合いのあるスタイリストやメイク、撮影に関わるスタッフたちからもらったプレゼントの山。
マネージャーの宇都木が用意した大き目の紙袋から、こぼれ落ちそうなほどもらっている。
宇都木が事務所に一旦持ち帰ろうかと提案したが、嬉しいからすぐ持って帰りたいと笑って、トウマは大荷物で歩いていく。
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