narehate42MAIKINGチェンゲ隼竜大昔自サイトに上げてたような気がするなんのひねりもない地獄の話、の真ん中あたり浄火篇 落ちていた。 透明な筒の中をただひたすら真っ逆さまに落下していた。あるいは上昇しているのか。どちらが上でどちらが下か。だが、そのようなことはこの空間においてはまったくの些末事であると識っていた。 不意に筒の表面にノイズが走る。そして―― ふと気付いた。その筒は直線を描いてはいない。 ゆるやかに絡み合う二匹の蛇を無数の触腕が繋ぐその配列は、二重らせん――正しくDNAの立体構造であった。 落ちていく。 落ちていく。 昇っていく。 昇っていく。 ゲッター線とは何だったか。進化とは。どこへ行く。どこへ行き着く。真理。原理。摂理。インベーダー。ハ虫人類。鬼。神。ゴール。ブライ。暴走。取り込まれる。同化。神ゲッターロボ。聖ドラゴン。世界最後の夜明けとは。 次に竜馬は反応炉の中にいた。落下あるいは上昇が極まったということだろうか。もっともそこが本当に反応炉であるかは確証がない。 あるいはそれは箱庭の中かもしれない。 あるいはそれはフラスコの中かもしれない。 あるいはそれは銀紙に包まれた中かもしれない。 あるいはそれは入れ子式のマトリョシカの中かもしれない。 1628 12