ピアスの話②インターハイ後、体育館で赤木から次期主将の指名があった。
前に立った宮城がいつもの不敵な顔で挨拶を始める。
こういう時は隣にいることがほとんどだったせいか、新鮮に感じる。
「ゴリからのリョーちん、高低差がすげーな」
「おま・・・宮城に聞かれたらぶっ殺されるぞ」
「花道!あとで体育館裏こいよ」
流川がやれやれといった顔で溜息をつく。
こうして見ると身長はともかく、貫禄は赤木にも負けていない。
自分が後輩ならこれほど頼もしい先輩はいないだろうと思う。
普段なら嫌味の1つでも言ってやるところだが、ここは先輩として素直に応援してやろう。
挨拶を終えた宮城がメンバーを見渡す。
遠征の時にうなされていた宮城の顔がふと頭をよぎった。
1915