想い伊作のお父さんが薬師かお医者さんで、よく一緒に薬草つみに行っていたから知識も豊富になった。元々心優しい子で、人や動物など傷ついたものを放っておけなかった。しかし悲劇はやってくる。伊作が9つのときだった。
父が敵領地近くの山で薬草を採っていたところ、戦真っ只中の敵兵士に見つかり殺されてしまう。帰ってこない父を心配した伊作と母は同じ村の人から父の最期を聞かされる。それからというもの、母は病を患い、住んでいた村は皮肉なことに敵領地になってしまう。
「どうして……どうして父さんは……母さん……僕はどうしたらいい……??」
そう問いかけると母は困ったように笑い
「うーん…………忍者だったら……もしかしたら……この戦も止められたかもね……」
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