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    はまち

    @hamachi_0720

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    はまち

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    伊作先輩の過去妄想/暗いです
    去年の秋ごろ突然思いついて最後まで書いてしまったものです。
    思いつくままにガーーッッと書いてしまったのでハイテンポです。
    特に見直ししてないので誤字脱字は無視してもらえると嬉しいです。
    またいずれ修正するかもしれません。

    #忍たま乱太郎
    nintamaRantaro
    #忍たま

    想い伊作のお父さんが薬師かお医者さんで、よく一緒に薬草つみに行っていたから知識も豊富になった。元々心優しい子で、人や動物など傷ついたものを放っておけなかった。しかし悲劇はやってくる。伊作が9つのときだった。
    父が敵領地近くの山で薬草を採っていたところ、戦真っ只中の敵兵士に見つかり殺されてしまう。帰ってこない父を心配した伊作と母は同じ村の人から父の最期を聞かされる。それからというもの、母は病を患い、住んでいた村は皮肉なことに敵領地になってしまう。
    「どうして……どうして父さんは……母さん……僕はどうしたらいい……??」
    そう問いかけると母は困ったように笑い
    「うーん…………忍者だったら……もしかしたら……この戦も止められたかもね……」
    小さく呟いたその言葉に電流に撃たれたかのような衝撃が伊作に走る。
    忍者になればもうこれ以上僕みたいに悲しむ人を減らすことができる……!!こんなときに思ったのは自分の復讐などではなく、自分以外が苦しまなくなると考えた。なんとも伊作らしい。程なくして忍術学園への入学が決まり、留三郎たちとも出会い学園生活を楽しむのだが……悲劇はまだあった。
    1年生のときから入っている保健委員会。そこには同じく1年生のときから入っていたひとつ上の先輩がいた。先輩は伊作同様に優しく、後輩からも慕われ、困っている人を放っておけない、薬草・医学に詳しい、怒ったところは誰も見たことがない。そんな先輩がいた。
    「伊作は忍者に向かないな」
    「よく言われます……自分でも分かってます」
    「ならどうして忍者を目指すんだ?」
    「…………」
    「話したくないならいいぞ。たぶん俺も似たような理由で忍者を目指してるから」
    「え…………」
    そう語る先輩の瞳は哀しそうに空を見上げていた。
    似たような伊作のことを先輩は可愛がってくれていた。だが幸せは永遠ではなかった。伊作が五年生のとき。先輩は六年生の実技のテストで戦地にいた。もちろん先輩たちがどこでどんなテスト内容なのか知らなかった。いつも通り授業に出て放課後になり、そろそろ夕食の時間かという時。
    学園が急に騒がしくなった。でも生徒たちというより先生たちが慌ただしくしている。
    「何かあったのかな?」
    気になり忙しそうな先生に声をかける。
    「先生、何かあったのですか?」
    「……六年生の実技テストの場所の戦が想像以上に激化してな……」
    「先輩たちは無事なんですか?」
    「……分からない。帰ってきた生徒によるとまだ残っている生徒がいるらしいから先生たちが向かうところだ。心配するな」
    「………………」
    「伊作?」
    「……僕……行かなきゃ……先生、場所はどこですか」
    「えっドクタケ領の奥地の……」
    「おい伊作!?」
    止める留三郎を置いて伊作は走り出した。
    自分の部屋から救急セットだけを持って。どうして駆け出したのか。怪我をしているであろう先輩たちの治療に向かいたかったのか?何故か足は止まらなかった。ただただ駆けた。
    「……伊作……?」
    「先輩……………………」
    息も切れ切れ辿り着いた山奥で、戦場からは離れた場所に先輩がいた。
    その手は、身体は、真っ赤な鮮血に染まっていた。深緑の制服は見る影もない。
    「せ、先輩……あ、あの、あの」
    「伊作、落ち着いて聞いてくれ」
    「!?」
    「この手紙を忍術学園へ持ち帰ってくれ……頼む……お前にしかできない」
    「でっでももうすぐ先生たちが……っ」
    「他の奴らは見つけてもらっただろうが、ここは見つけにくい。だから間に合わないんだ。遅くなっては意味が無い。俺が、俺が生きているうちに」
    「とりあえず止血を!!僕、救急セット持ってきたので……っ」
    治療しようとする伊作の手を止める。
    「先輩……………………」
    「頼む伊作」
    「嫌です。嫌です。先輩を置いてなんていけない」
    「忍者は!!」
    「!!」
    「情報を持ち帰ることが最優先だ。五年生にもなってそんなことも分からないのか?」
    「っ!!」
    今にも涙が溢れそうな伊作の頭をそっと撫でると、いつもの優しい笑顔を見せる。
    「伊作」
    「…………っはい」
    「伊作なら、俺がなりたかった、忍者になれる。必ず。だから、夢を諦めるな。ずっと、そのままの伊作で、みんなを笑顔に、幸せに、してやるんだ。いいな?」
    「…………っっ」
    「返事は?」
    「……っは……い…………っ!」
    「さあ、これを持って帰るんだ。真っ直ぐ、振り返らずに」
    「先輩……僕……僕……先輩に会えなかったら忍術学園をやめていたかもしれなかったんです……自分には向いてない、出来ないことが多すぎる、でも先輩がいたからここまで来れました。本当に……本当にありがとうございます……っっ先輩、大好きです……っ」
    涙と鼻水でぐちゃぐちゃになりながら気持ちを初めて伝える。
    「ありがとう。俺も、伊作がいたから、頑張れたんだ。伊作に出会えてよかった」
    「うっうっううう〜……っっ」
    「泣いてる暇はないぞ……!ほら早く、早く帰るんだ。きっとみんなも心配しているぞ」
    「……はいっ……行ってきます」
    「行ってらっしゃい。伊作」
    「これだけ、これだけ置いていかせてください」
    そう言うと持っていた救急セットを傍らに置く。そして深々とお辞儀をしたら駆け出した。今まで見たことないくらいの速さで。瞬く間に見えなくなる。
    「……包帯、これで足りるかなあ………………??」
    「伊作!!」
    学園に帰る道で留三郎たち五年生、先生たちに出会った。血がついた伊作の制服を見て全員驚く。
    「伊作、何が……」
    留三郎は伊作に問いかけようとするが、顔を見ただけで何があったのか分かってしまった。伊作をここまで疲弊させる、絶望させることが。
    「これ、これを……」
    そう言って取り出したのは血にまみれた紙切れだった。
    「持ち帰らなきゃ…………」
    「食満、立花、潮江、七松、中在家、善法寺を学園まで送ってやるんだ。我々は六年生の元へ向かう」
    「先生!それでは救援部隊は……」
    「行くんだ」
    「……行こう」
    無事学園に戻り先輩の手紙も届けた。……らしい。伊作にはその後の記憶が曖昧だ。留三郎が言うには学園長に渡した瞬間倒れたという。覚えているのは真夜中に目が覚めてからだ。
    「伊作……?目が覚めたのか?」
    「留三郎………………ここは?」
    「忍たま長屋の俺たちの部屋だ」
    「先輩……先輩は!?!?先輩はどこなの留三郎!!!」
    こんな取り乱した伊作は初めて見た留三郎だった。
    「……こっちだ」
    着いたのは先輩の部屋。なんだ部屋にいるのか。帰ってきてたんだ。良かった。でももう寝てるんじゃ?こんな時間だし。
    「留三郎、起こしちゃうから明日でいいよ」
    しかし留三郎は戸を開けた。
    そこにいたのは先輩。先輩が布団の上で眠っている。ほら、眠ってるじゃないか。だからやめようって言ったのに。でも心配だったからもっと傍で確認したいな。傷の手当は出来たかな、僕の救急セット役立ったかな。ねえ、先輩。
    「伊作…………………………」
    「先輩。僕です。善法寺伊作です。保健委員五年生の。僕が来たんですよ、起きてください。夜中ですみません。でもお顔を見ておきたくて……先輩。先輩、先輩………………」
    伊作の声は虚しく空を切る。静かで冷たい深夜の空気を絡めて伊作の心を裂いていく。
    あの時ほど泣いた伊作は見ていないと留三郎は言う。消えてしまいそうな伊作をただひたすら傍で支え続けたのが留三郎だった。二人の絆が一層強くなったのはこの時かもしれない。
    それからというもの、伊作は医学にも薬草学にも、忍術にも精を出した。先輩の遺志を受け継いで。
    伊作は今、時折医務室でぼーっとしているところを目撃されている。果たしてそれは本当にぼーっとしているのか、何かを思っているのか。
    そういえば伊作にはとても大切にしているボロボロの古い薬草の本があるとか。ここら辺では買えない本らしいが、どこで手に入れたのか後輩で知る者は居ない。
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