しょた悠仁と脹相お兄ちゃん「悠仁! ただいま!」
「あっ、にいちゃん」
玄関を開けると悠仁がてててっ、と駆け寄ってくる。
「悠仁、急ぐな、転んだりしてお前の綺麗な肌に傷がついたら大変だ」
「んぇ?」
悠仁はきょとんとした顔で脹相を見上げる。
まるまるとした瞳はきらきらと輝いていて、脹相はこの瞳に映る自分を見るたびに、胸がきゅう、と甘く締め付けられるのを感じた。
「悠仁の目はお星さまみたいだな」
「おほしさま!」
両親が他界して一人残された幼い悠仁は、親戚中をたらい回しにされていた。
一人暮らしである脹相に、押しつけられる形で六歳の悠仁がやってきたときは「面倒くさい」と思ったものだ。
だがそれも数日で終わった。
可愛い。
とにかく可愛い。
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