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    三上

    Leko_HB

    DOODLE↓以前書いた三上兄がプロチームのHCをしている時空のK2の話です。
    長くなったので前後編に分けます。

    https://poipiku.com/33325/7775933.html
    雪がとける日に(前編) 日本で一番雪が降ると言われるこの街の寒さは、僕にとってはなんてことないものだ。確かに寒くはあるが、道路は除雪され歩く道はあるし何よりコンビニや自動販売機で温かいものがすぐに買える。日本人は皆『田舎』と言うけれど、ロシアの山奥にある僕の実家を思い出せば大都会にすら思えた。
     
     ──この街に来たのはちょうど2年前になるだろうか。

     大学4年の卒業間近南郷大の監督に呼ばれ、下部チームで外国籍として契約を考えているというオファーが来たと告げられた時は本当に驚いた。その時の僕は丁度進路に迷っていた時期だった。バスケの強豪である大学の周りの皆は社会人チームに内定したり、教員免許を取って体育教師への道へと順風満帆に進路を決めていた。中でも高校からのチームメイトである圭悟は大学3年の時には既にプロリーグの上位チームから特別指定選手として声がかかり、既にプロのコート上で活躍し始めていた。他の筑波の皆も順当に各々の進路が確定した中、僕だけが宙ぶらりんのままだ。
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    ゆな୨୧*

    TRAINING!三上と桐ケ谷
    !三上カドスト未読あり
    !イベスト、桐ケ谷カドストバレあり
    !先輩と後輩的な感じ。二人ともコンミスのことが好き。
    ガーネット・スター「よぉ」
    菩提樹寮の玄関で三上を呼び止めたのは桐ケ谷であった。先程、木蓮館で別れた以来だった。
    「どうしたんですか」
    「お前、この後予定あったりする?」
     桐ケ谷が立つ傍らには、彼の愛車があった。三上も時々洗車を手伝ったりしている。
    「予定といっても……まあ、練習はしようと思ってましたけど、それくらいです」
     三上は桐ケ谷の方を見て答えた。三上はそんなことを聞いてくる桐ケ谷の意図が読めなかった。
    「そっか。じゃあ、今から付き合えよ。荷物置いて、もう一度ここに集合」
    「え、いきなりなんですか」
    「こいつ走らせようと思って。お前も付き合え。ほらほら、早く」
     桐ケ谷は三上の肩をポンと押して、急いで支度しろと目で訴えた。三上は訳が分からなかったが、こうなった桐ケ谷は自分が何を言っても聞いてくれないような気がして、渋々荷物を部屋へ置きに向かった。幸い、他のメンバーに顔を合わせることなく再度玄関へ戻ることが出来た。何か聞かれたときに、この状況を説明するのはひどく面倒に思った。玄関へ戻ると、桐ケ谷がすでにフルフェイスのヘルメットを被り、スタンバイをしていた。三上に気づくと、来たな、と言って座席の方に視線をずらした。
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