神の領域
firmer
MENUTHE FARM 表紙集 第一章~第十三章210X年人類の文明は神の領域に到達、AIやバイオテクノロジーの進歩の裏では一部の富裕層と大多数の貧困層の二極化が進み、貧困層は人権を失い富裕層の家畜となる。その中で磯野博士は人類の起源そして未来を知ることになる。果たして人類の未来とは? 54
Yako_san8
DONEhadesweekly3回目お題・手入れで書かせていただきました。冥界王子が祖神の領域に遊びに(?)行く話です。
深淵の輝石箱 ハデス館の外れ、冥界王子の秘密の裏庭で暇を持て余した骸骨男は、組み合わせた両手の関節をポキポキ鳴らすと恨めし気な視線を壁前の一角へと向ける。
「坊ちゃん、そろそろあっしにも《仕事》をさせてくだせぇ!……《掃除》ならあっしと同じくらい働き者のゴルゴンにでも頼めばいいじゃないですかい?坊ちゃんには似合いやせんよ!」
「―もう少し待ってくれ、スケリー。これが済んだら、ちゃんとおまえの《手入れ》もしてやるからさ!」
背を向けて黙々と作業していたザグレウス王子は少しだけ振り返ると悪戯っぽく笑う。
「……はぁ、口ばっかり達者になられやしたね」
骸骨男の呆れた風な呟きと共に口蓋の中の2オボロス貨がからりと乾いた音をたてた。
3775「坊ちゃん、そろそろあっしにも《仕事》をさせてくだせぇ!……《掃除》ならあっしと同じくらい働き者のゴルゴンにでも頼めばいいじゃないですかい?坊ちゃんには似合いやせんよ!」
「―もう少し待ってくれ、スケリー。これが済んだら、ちゃんとおまえの《手入れ》もしてやるからさ!」
背を向けて黙々と作業していたザグレウス王子は少しだけ振り返ると悪戯っぽく笑う。
「……はぁ、口ばっかり達者になられやしたね」
骸骨男の呆れた風な呟きと共に口蓋の中の2オボロス貨がからりと乾いた音をたてた。