離岸流
たぬきち
DONEベッタと支部にあげてた長文こっちは改ページ入れられないからちょっと読みづらいかも
教授とモブ君がフィールドワーク先で怪異に合う話。モブ君メインになってしまったよ。 タイトルのRip currentは「離岸流」という意味です。なんとなく察してくだされ。
Rip current -離岸流-「あ、また来てる」
遠くの岩場を見て、隣にいた学生のコール君がつぶやいた。
左右を崖と岩場に挟まれた、小さな海岸だ。僕たちは、その崖の根元付近の洞穴に設えられた祭壇の調査に来ていた。
先日から彼が時々岩場を気にしている事には、なんとなく気づいていた。
「どこ?」
「あそこです、エバンス先生。あの、大きな岩の向こうの、先端の方」
彼の指差す方を見たが、何も見えない。ただ陽炎が揺らいでいるだけだ。
「ごめん、僕には何も見えないけど」
「え、ほんとですか? 先生、ちゃんとコンタクトレンズ入れてますよね?」
「ひどいなあ、いくら僕が少々抜けてるからって、そこまでじゃないよ」
苦笑する僕を見て、少し不満げな顔で彼がもう一度指差す。
10951遠くの岩場を見て、隣にいた学生のコール君がつぶやいた。
左右を崖と岩場に挟まれた、小さな海岸だ。僕たちは、その崖の根元付近の洞穴に設えられた祭壇の調査に来ていた。
先日から彼が時々岩場を気にしている事には、なんとなく気づいていた。
「どこ?」
「あそこです、エバンス先生。あの、大きな岩の向こうの、先端の方」
彼の指差す方を見たが、何も見えない。ただ陽炎が揺らいでいるだけだ。
「ごめん、僕には何も見えないけど」
「え、ほんとですか? 先生、ちゃんとコンタクトレンズ入れてますよね?」
「ひどいなあ、いくら僕が少々抜けてるからって、そこまでじゃないよ」
苦笑する僕を見て、少し不満げな顔で彼がもう一度指差す。