水鳥の
MOURNING初のイコプリSS。大半が十九歳。関西弁は空気で読んでください。 付き合ってからと言うもの、王子は事あるごとに生駒に好きを伝えたがる。「好きだよ、イコさん」
時も場所関係なく伝えられる言葉に、生駒は不思議そうに尋ねたことがある。
「なんや、王子、どないしたん?」
「うーん、何でもないよ。ただ言いたいだけ」
「それなら、ええ」
にこにこといつもと変わらない笑顔を張り付けて、王子は生駒に言う。生駒は、本当にそうなら問題ないな、と頷いた。
「で、今も続いてる、と」
生駒から経緯を聞いていた弓場は、片眉を器用に持ち上げて嫌そうな表情をした。
「そうや」
生駒はいつもと変わらない表情で弓場の問いに答えた。
日差しの気持ちよい午後、ボーダーのラウンジの一角に何故か十九歳組が集まり、何故か近況はどうなのかと言う事になり、何故か、王子と付き合っている生駒の悩み相談が開始された。
「王子も可愛いところあるじゃないか」
嵐山が、どこが悩みなんだ? と不思議そうに言う。
「いや、何回も続くと生駒も鬱陶しいんじゃないのか?」
嵐山の問いに柿崎が答える。
「いや、そんなんないな」
生駒は、当たり前だと言うように柿崎の言葉を否定した。
「ないのかよ」
「 1089