taroimo_haruka
MAIKINGカナアン、長編。2話目。アクアレトリウムの夢②-1水の流れにただ身を任せ、漂っていた。
美しい色とりどりの魚たち。静寂に包まれた、無音の世界。手を伸ばせば、何にでも手が届くような気持ちになる。
ここにはカナタを傷つけるものは何も無い。
ただ温かく、包み込むだけだ。
(……ずっと、ここにいたい)
静かな、この世界で。
穏やかな、この世界で。
――優しいこの夢の中で
アクアテラリウムの夢
「カナタ! なあ、カナタ!!」
呼びかける声に、カナタははっと目を覚ました。目の前には、どこかほっとした表情を浮かべるカイトが座っている。慌てて周囲を見渡せば、カナタたちと同じように机を陣取りテキストを広げる者、トレーをもってどこか席はないかと探す者、それぞれの目的に合わせて動く学生たちの姿が見える。手元には筆記用具とテキスト、そして氷が溶けてぬるくなったジンジャーエール。
2920美しい色とりどりの魚たち。静寂に包まれた、無音の世界。手を伸ばせば、何にでも手が届くような気持ちになる。
ここにはカナタを傷つけるものは何も無い。
ただ温かく、包み込むだけだ。
(……ずっと、ここにいたい)
静かな、この世界で。
穏やかな、この世界で。
――優しいこの夢の中で
アクアテラリウムの夢
「カナタ! なあ、カナタ!!」
呼びかける声に、カナタははっと目を覚ました。目の前には、どこかほっとした表情を浮かべるカイトが座っている。慌てて周囲を見渡せば、カナタたちと同じように机を陣取りテキストを広げる者、トレーをもってどこか席はないかと探す者、それぞれの目的に合わせて動く学生たちの姿が見える。手元には筆記用具とテキスト、そして氷が溶けてぬるくなったジンジャーエール。
taroimo_haruka
DONEカナアンバース?設定と見せかけて…な長編。
とりあえず1話だけ。
アクアレトリウムの夢①色鮮やかな魚たちが目の前を泳いでいる。水面から射し込む太陽の光がキラキラと反射し、幻想的な光景が視界いっぱいに広がっている。
ここは、どこだ?
気がつけば、まるで無重力空間にいるかのようにカナタの身体は水の中を漂っていた。
ここは、海?
まるで身体が魚になったかのように簡単に泳ぐことができた。ぐんぐんとスピードをつけて泳いでいると、魚たちが近くに寄ってくる。不思議なことに、水の中にも関わらず呼吸ができる。息を吸い込む度にぷかぷかと酸素が水面に昇っていく。水面の向こうには、何があるのだろうか。
――音のない世界に、独り漂う夢を見た。
アクアテラリウムの夢
スマートフォンのアラーム音がけたたましく鳴り響き、カナタは目を覚ました。無意識に枕元へと手が伸び、寝ぼけ眼のまま画面に触れる。アラームの音がピタリとやんで、部屋の中に沈黙が訪れた。
6220ここは、どこだ?
気がつけば、まるで無重力空間にいるかのようにカナタの身体は水の中を漂っていた。
ここは、海?
まるで身体が魚になったかのように簡単に泳ぐことができた。ぐんぐんとスピードをつけて泳いでいると、魚たちが近くに寄ってくる。不思議なことに、水の中にも関わらず呼吸ができる。息を吸い込む度にぷかぷかと酸素が水面に昇っていく。水面の向こうには、何があるのだろうか。
――音のない世界に、独り漂う夢を見た。
アクアテラリウムの夢
スマートフォンのアラーム音がけたたましく鳴り響き、カナタは目を覚ました。無意識に枕元へと手が伸び、寝ぼけ眼のまま画面に触れる。アラームの音がピタリとやんで、部屋の中に沈黙が訪れた。