紫雨(shigure)
DONE2021年7月22日の、薛洋の誕生日に寄せて書いた単話です。🍬🍬🍬薛洋生日快乐!!🍬🍬🍬
甘露 「「夢見の飴?」」
義荘の中で、薛洋と阿箐の怪訝そうな声が揃った。
「はい、なんでもこの飴を舐めると、その人が望む夢を見られるそうですよ」
買い物籠を抱えた暁星塵は、にこにこと微笑みながら二人の疑問に答える。その手のひらには、薄緑の油紙に包まれた飴玉らしきものが、四つ乗せられている。
「あんたはまた、そんなもんに引っかかって……」
「道長、それ一体いくらで買ったの?」
暁星塵が一人で町へ買い物に出ると、たまにこうして押し売りにあって胡散臭いシロモノを持ち帰ってくるものだから、薛洋も阿箐も慣れた様子だ。薛洋は薄ら笑いを浮かべつつも呆れた風を装い、阿箐はこのお人よしの道長が、今度はいったいどんな詐欺にあったのかと、苛立った様子を見せた。
3694義荘の中で、薛洋と阿箐の怪訝そうな声が揃った。
「はい、なんでもこの飴を舐めると、その人が望む夢を見られるそうですよ」
買い物籠を抱えた暁星塵は、にこにこと微笑みながら二人の疑問に答える。その手のひらには、薄緑の油紙に包まれた飴玉らしきものが、四つ乗せられている。
「あんたはまた、そんなもんに引っかかって……」
「道長、それ一体いくらで買ったの?」
暁星塵が一人で町へ買い物に出ると、たまにこうして押し売りにあって胡散臭いシロモノを持ち帰ってくるものだから、薛洋も阿箐も慣れた様子だ。薛洋は薄ら笑いを浮かべつつも呆れた風を装い、阿箐はこのお人よしの道長が、今度はいったいどんな詐欺にあったのかと、苛立った様子を見せた。