NaO40352687
DONE忘羨ワンドロワンライお題:「すねる」「○○を隠す」
主要時間:1時間47分
注意事項:まだ知己
忘羨ワンドロワンライ【すねる】【〇〇を隠す】 辺境まで旅して得た成果を持って雲深不知処へと魏無羨がやって来てから、おおよそ一月が過ぎた。魏無羨はというと、未だ雲深不知処に厄介になっている。
魏無羨が雲深不知処に足を向けたのは旅の顛末を知らせるだけでなく、温情が遺した医書を雲深不知処に保管してもらう算段をつけるためでもあった。遅れて医書を携えてきた鬼将軍から書物を受け取り蔵書閣へと納めた時、藍啓仁はかつての焼き討ちの際に失われた多くの書の事を嘆いた。その中には陣法に関する書も多く、特に陣法に優れている藍啓仁は残念でならなかったようだ。すると魏無羨が陣法の書なら蓮花塢に残っているはずと言い出し、今度はその書を蓮花塢から運び入れ、損傷したものは修復するようにと魏無羨に仕事が与えられた。蓮花塢の陣法の書は全て、かつて魏無羨が学んだものだったからだ。隠され、存在を忘れられていた書物の痛みは激しく、魏無羨は日がな一日蔵書閣に入り浸っては、書の修復に励んでいる。まだ当分のあいだ雲深不知処からは出られそうにない。
5190魏無羨が雲深不知処に足を向けたのは旅の顛末を知らせるだけでなく、温情が遺した医書を雲深不知処に保管してもらう算段をつけるためでもあった。遅れて医書を携えてきた鬼将軍から書物を受け取り蔵書閣へと納めた時、藍啓仁はかつての焼き討ちの際に失われた多くの書の事を嘆いた。その中には陣法に関する書も多く、特に陣法に優れている藍啓仁は残念でならなかったようだ。すると魏無羨が陣法の書なら蓮花塢に残っているはずと言い出し、今度はその書を蓮花塢から運び入れ、損傷したものは修復するようにと魏無羨に仕事が与えられた。蓮花塢の陣法の書は全て、かつて魏無羨が学んだものだったからだ。隠され、存在を忘れられていた書物の痛みは激しく、魏無羨は日がな一日蔵書閣に入り浸っては、書の修復に励んでいる。まだ当分のあいだ雲深不知処からは出られそうにない。
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DONE忘羨ワンドロワンライお題:「隠し味」
主要時間:1時間36分
注意事項:道侶設定
忘羨ワンドロワンライ【隠し味】 魏無羨は赤い飯が好きだ。何をどう間違ったのか、考えられない唐辛子の量を最適だと思い込んでおり、大抵の鍋を真っ赤にする。しかし、けして味音痴というわけではない。むしろ酒の肴の味にはうるさい方だ。絶品と言われた江厭離の汁物は、魏無羨の口に合うように配合を変えていった結果であるし、細やかな隠し味までピタリと当てて見せる。だがなぜか自ら杓子を握ると、鍋が真っ赤になるのである。
ゆえに、藍家の弟子たちは魏無羨が杓子を握ろうものなら、それを急いで取り上げ、何か手伝うことはないかと釜戸のそばをウロウロするのを慇懃に断る。夜狩で野宿ともなれば、なんとか周辺の地酒を見繕ってきて手渡し、『あちらに綺麗な花が咲いていましたよ』とか『あの木は枝振りが良いので、座ると月が見えるんじゃないですか』とか、極め付けは『含光君とお二人で少し広いところで食事の準備が整うまでゆったりとお休みください』とか、とにかくなんとか理由をつけて追い払い、その隙に薪に鍋を掛け、真っ当な色の粥を炊くのだ。
3229ゆえに、藍家の弟子たちは魏無羨が杓子を握ろうものなら、それを急いで取り上げ、何か手伝うことはないかと釜戸のそばをウロウロするのを慇懃に断る。夜狩で野宿ともなれば、なんとか周辺の地酒を見繕ってきて手渡し、『あちらに綺麗な花が咲いていましたよ』とか『あの木は枝振りが良いので、座ると月が見えるんじゃないですか』とか、極め付けは『含光君とお二人で少し広いところで食事の準備が整うまでゆったりとお休みください』とか、とにかくなんとか理由をつけて追い払い、その隙に薪に鍋を掛け、真っ当な色の粥を炊くのだ。