A_wa_K
DONE久目さん(@icihisa_sin)から拝借したお題『香水』から書いたナホ越です。※直接的な描写はありませんが、ナホ越要素がとても濃いのでご留意下さい。
香水 ――創りたい世界なんてない。
それが、此度の死闘で勝ち残ったナホビノの"願い"であった。
(どうせなら、俺みたいなナホビノは最初から除外してしまえば良いのに)
自らの手で破壊し、瓦礫と化した座。その上にだらしなく腰掛けながら、青色の髪のナホビノは自堕落な時間を過ごしていた。
今や完全なる一柱の神となったナホビノ。
ふたつであった意思がひとつに溶け合ってしまった時点で、彼の道は決まっていた。
――守りたかった人達が消えた世界など、どうでも良いと。
(でも、勝ったのは俺だ)
淡く輝く指先をぼうっと見つめながら、ナホビノはひとつ欠伸をする。
神の座す瓦礫の間は、とても静かだ。
音もなく、風も吹かない。いつの日か、創世を望むナホビノが現れた際には慌ただしくなるだろうが、きっとそれはまだ遠い未来の話だろう。何をする目的もないナホビノにとっては、酷く長い時間である。
1147それが、此度の死闘で勝ち残ったナホビノの"願い"であった。
(どうせなら、俺みたいなナホビノは最初から除外してしまえば良いのに)
自らの手で破壊し、瓦礫と化した座。その上にだらしなく腰掛けながら、青色の髪のナホビノは自堕落な時間を過ごしていた。
今や完全なる一柱の神となったナホビノ。
ふたつであった意思がひとつに溶け合ってしまった時点で、彼の道は決まっていた。
――守りたかった人達が消えた世界など、どうでも良いと。
(でも、勝ったのは俺だ)
淡く輝く指先をぼうっと見つめながら、ナホビノはひとつ欠伸をする。
神の座す瓦礫の間は、とても静かだ。
音もなく、風も吹かない。いつの日か、創世を望むナホビノが現れた際には慌ただしくなるだろうが、きっとそれはまだ遠い未来の話だろう。何をする目的もないナホビノにとっては、酷く長い時間である。