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nyar42

供養いつかついったに上げてたダルフォとゾーイの話
合体召喚のあれがやりたかっただけ
失われしぴょん

 畑の作物を魔物が荒らすので退治してほしいという依頼だった。騎空士というものは、ことこのような田舎においては概して便利屋と認識されている節がある。
「害獣ではなく、魔物なんですか?」
「ええ、それが……猪や猿ならこのあたりにも出ますけど、そういうのじゃないんです。とても素早くて、すぐ逃げられてしまうんですよ」
「なるほど。白っぽくて、大きさは? ふむ、結構大きいんですね」
 団長以下のお人よし連中は農家が作物を荒らされては死活問題だと言って、しかしいかんせんお人よしの集団なのですでに別の依頼を複数掛け持っており、よって手の空いていたサンダルフォンとゾーイの両名が送り出された格好である。
 互いに饒舌な質でもないのでろくな会話もないまま到着した現場には、なるほど確かになにか大きな生き物に荒らされたらしき形跡がある。
 それにしても長閑で牧歌的な眺めである。
 なにしろ見渡すかぎり一面、畑と森と山しかない。
 サンダルフォンがはじめて研究所の外に出たのは叛逆したあのときだ。それはすぐに鎮圧されサンダルフォンも多くの者と同様パンデモニウムへ投獄された。それでも機を待ち続け、脱走し、災厄を起こそうとし、阻止されて――
 伸ばしてくれていた手を振り払って、その手を永遠に失った。
 長閑とか牧歌的という言葉は、だから、ずっと昔に暇つぶしにと持ってきてもらった書物で覚えた。なんとなれば内容もそらんじてみせるが、当の書物自体はおそらくかつての星晶獣たちの星の民への叛逆の折に失われて久しい。あれはサンダルフォンにとって、数えるほどしかない「自分のもの」だった。
「知っているか」
「……なんだ」
「ふわふわなんだそうだ」
 うたうようにゾーイが言う。
 同じ艇に乗り共に戦うようになって久しいが、彼女のことはいまだによくわからない。
 久しい。久しいとは、長い月日が経っているということだ。グランサイファーに乗ってからもう随分経ったような気がしている。月日が流れるということを、今始めて理解し体感している。
 ふわふわ、と心なしかうっとりした表情でゾーイは繰り返している。
 そういえば彼女はいつからこれほど豊かな表情を見せるようになったのだったか。
 いつからただの少女のように。
 特異点に関わると誰もが変わっていく。
 それが特異点が特異点たるゆえんなのかもしれない。
 それがおそろしい。

 誰が簡単な依頼だなどと軽口を叩いたのか。自分である。
 とんでもない。
 張り込んで五日目、よほど警戒心が強いのか魔物はいまだ現れない。
「騎空士さん、お疲れ様です」
 依頼人も律儀なもので質素ではあるものの三食に加えお茶の支度までしてくれるのだが、いい加減に珈琲が恋しい。封を開けたばかりの袋があるのだ。
 そしてそれ以上に、ここまでなんの成果も上げられていないことが非常に心苦しい。このままではただ食事をご馳走になりにきただけのただ飯食らいである。早く役目を果たして帰りたい。
 ため息を押し殺したそのとき、隣でもぐもぐと口を動かしていたゾーイが動いた。
 いつの間にかその手に握られていた巨大な獲物の銃口に光が収束していく。口にはまだものが入っているのか、引き結ばれて声はない。ないが、ゾーイの視線の先にいるそれの姿をわずかに半呼吸分だけ遅れてすでにサンダルフォンも認識している。
 なるほど、これは確かに白くてふわふわだ。
 全体的には巨大な兎のようなシルエットの魔物を見据えながら、轟音を合図にサンダルフォンも地を蹴った。

 魔物の毛皮は町へ持っていけば結構な金額になるだろうということだった。
「ふわふわだったな」
「……ああ」
 畑を荒らす魔物がいなくなった上に臨時収入まで得られたものだから、依頼人には恩人どころでなく拝み倒す勢いで感謝された。
 多分、団長たちだったならもっと別の結果があったのだろうということを、サンダルフォンは先ほどからずっと考えている。
「ふわふわだったんだ」
「……ああ、そうだな」1675 文字
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