kemeko_hina
DONE降風webオンリーで公開しました、あむひだしてないあむひだです…いろいろ設定考えてたんですがほぼ作中で説明しきれてない…書きたいところだけです…
On the day of flowers bloom その日飛田は、事務所の切らしてしまった洗剤を買うために、近くのスーパーまでやってきたところだった。普段は立ち寄らない時間帯に訪れる店内はやけに活気づいていて、なんだかやけに新鮮な気持ちになって自動ドアをくぐる。カートやカゴがずらりと並べられた一角をちらりと見遣ったが、洗剤だけならカゴはいらないかとすぐに結論づけた。視線を戻してまっすぐニ番目の自動ドアをくぐろうとしたとき、ふ、と視界の隅に鮮やかな色彩が映り込んできたのだ。
「あ…………」
なんてことはない、切花売り場。きっといつもなら仏花に紛れて見落としてしまっていたに違いない。季節柄置いているのであろう赤やピンクのチューリップの切花に埋もれるようにして活けられている、一本だけ色の違うそれ。なぜかこのときの飛田には、その色だけが目についてしまったのだ。
6801「あ…………」
なんてことはない、切花売り場。きっといつもなら仏花に紛れて見落としてしまっていたに違いない。季節柄置いているのであろう赤やピンクのチューリップの切花に埋もれるようにして活けられている、一本だけ色の違うそれ。なぜかこのときの飛田には、その色だけが目についてしまったのだ。