ざくろ
DONE嘘ドロWebオンリー開催おめでとうございます👏両片思いな二人でちょっとだけ甘く切ない夜をどうぞ
パスワードは開催日4桁
夜の告白「この戦いが終わったらさぁ」
『うん』
吐息混じりに零した独り言に、心臓をくれた相棒は律儀に相槌を打った。
口に広がるのは鉄の味、鼻につくのは硝煙の匂い。廃墟の片隅で蹲りひっそりと息を整える。致命傷は避けられたが酷く疲れた。くだらない話でもしていないと意識が遠のきそうだった。
夜空を見上げる。月明かりだけで照らされた街中は薄暗く気味が悪い。それでも慣れてしまえば案外明るく感じるのは何故だろう。今日は満月だ。月が綺麗ですね、なんて言えるほどの余裕は微塵もない。瓦礫に寄り掛かると背中からひんやりと冷えていく。火照った体には丁度良くて、俺は思わず深い溜息を零した。
「もう、人間と吸血鬼が啀み合うことのない世界になるといいな」
2914『うん』
吐息混じりに零した独り言に、心臓をくれた相棒は律儀に相槌を打った。
口に広がるのは鉄の味、鼻につくのは硝煙の匂い。廃墟の片隅で蹲りひっそりと息を整える。致命傷は避けられたが酷く疲れた。くだらない話でもしていないと意識が遠のきそうだった。
夜空を見上げる。月明かりだけで照らされた街中は薄暗く気味が悪い。それでも慣れてしまえば案外明るく感じるのは何故だろう。今日は満月だ。月が綺麗ですね、なんて言えるほどの余裕は微塵もない。瓦礫に寄り掛かると背中からひんやりと冷えていく。火照った体には丁度良くて、俺は思わず深い溜息を零した。
「もう、人間と吸血鬼が啀み合うことのない世界になるといいな」