秘みつ。
LÀM XONG凪茨▼初めて手を繋ぐリクエストありがとうございました
エアスケブhttp://hi.mi210.com/718only#skeb
手をつないだら「茨、いこう」
撮影終わりの海辺の砂浜で、凪砂は茨の手を初めて握りしめて、手を引いた。
夕暮れに近い空は良い色をして、水平線と溶けている。
「ど、うしたんですか、あの」
引かれるままに茨は引き摺られて、熱い砂浜を踏みしめていく。凪砂は黙っていた。その代わりに手を強く握った。海風がばたばたと服をはためかせ、海汀は形を変えて砂浜を濡らした。
「閣下、あまり遠くへは」
前をいく凪砂へ茨は訴えた。これが何の時間かわからなかった。潮の香りと漣が満ちて、行き着く先を教えない。
こうこうと海鳥が鳴く。
「……恋人みたいだね」
「……」
凪砂は振り返って茨を見つめた。手を繋げたまま。
深いつながり。物理的なつながり。凪砂はそれをしたかったわけではなかった。肉体がつながって、初めて内包された空虚を知る。その先にある目に見えないつながりが、本当に欲しかったのだと[[rb:俄 > にわか]]に確信する。
2021撮影終わりの海辺の砂浜で、凪砂は茨の手を初めて握りしめて、手を引いた。
夕暮れに近い空は良い色をして、水平線と溶けている。
「ど、うしたんですか、あの」
引かれるままに茨は引き摺られて、熱い砂浜を踏みしめていく。凪砂は黙っていた。その代わりに手を強く握った。海風がばたばたと服をはためかせ、海汀は形を変えて砂浜を濡らした。
「閣下、あまり遠くへは」
前をいく凪砂へ茨は訴えた。これが何の時間かわからなかった。潮の香りと漣が満ちて、行き着く先を教えない。
こうこうと海鳥が鳴く。
「……恋人みたいだね」
「……」
凪砂は振り返って茨を見つめた。手を繋げたまま。
深いつながり。物理的なつながり。凪砂はそれをしたかったわけではなかった。肉体がつながって、初めて内包された空虚を知る。その先にある目に見えないつながりが、本当に欲しかったのだと[[rb:俄 > にわか]]に確信する。
秘みつ。
LÀM XONG凪茨▼いばにゃんパラレルワールドリクエストありがとうございました
エアスケブ凪茨リクエストhttp://hi.mi210.com/718only#skeb
けんかはよくないけど ……茨と喧嘩してしまった。
おやつのチョコのこととかお小遣いの使い道とかそんなことで始まって茨も私も譲らないので茨はめずらしく「もういいです!」といって出ていってしまった。どこにいったのだろう。副所長室に私がいると帰ってこられないだろうから外に出た。木陰で一息つく。……ちょっと云い過ぎてしまったかな。
ぼんやり茨のことを考えていたら、くさむらがガサゴソ音を鳴らした。不思議に思って覗いてみると――毛玉。
「……ねこ……?」
「わ! はなすであります! なんでありますか!」
「……茨……?」
もふもふしたねこぐるみを纏った、ちいさないのちがそこで暴れていた。茨に似ている。
「た、たべないでー! おいしくないであります!」
2432おやつのチョコのこととかお小遣いの使い道とかそんなことで始まって茨も私も譲らないので茨はめずらしく「もういいです!」といって出ていってしまった。どこにいったのだろう。副所長室に私がいると帰ってこられないだろうから外に出た。木陰で一息つく。……ちょっと云い過ぎてしまったかな。
ぼんやり茨のことを考えていたら、くさむらがガサゴソ音を鳴らした。不思議に思って覗いてみると――毛玉。
「……ねこ……?」
「わ! はなすであります! なんでありますか!」
「……茨……?」
もふもふしたねこぐるみを纏った、ちいさないのちがそこで暴れていた。茨に似ている。
「た、たべないでー! おいしくないであります!」