k_hizashino
PROGRESS #一日二千字百日チャレンジ 二日目 笹さにのような何か珊瑚の死骸 2 本丸に自然のものが入り込んだと言えば緊急で現世への扉を開いてくれた。私の担当員さんはそういうことに巻き込まれることが多いらしく、「何かあったら言ってください」と送り出してくれた。担当員さんに丁寧に頭を下げて再び南の海辺へと降り立つ。
「笹貫は南の海が似合うね」
「そ? ま、海に捨てられたこともあったしね」
「はは、捨てたりしないよ」
「そうして。ま、今は自分で戻ってこられるんだけどさ」
布に包んだ珊瑚の死骸を取りだす。そしてそれに目が奪われる。
全長は八センチほどだろうか。途中で折れ曲がっている。折れ曲がったところに少しだけ突起があり、全体に穴が開いている。軽石を削りだしたらこんな風になるだろうか。重さはわずかにしか感じられない。
2139「笹貫は南の海が似合うね」
「そ? ま、海に捨てられたこともあったしね」
「はは、捨てたりしないよ」
「そうして。ま、今は自分で戻ってこられるんだけどさ」
布に包んだ珊瑚の死骸を取りだす。そしてそれに目が奪われる。
全長は八センチほどだろうか。途中で折れ曲がっている。折れ曲がったところに少しだけ突起があり、全体に穴が開いている。軽石を削りだしたらこんな風になるだろうか。重さはわずかにしか感じられない。