n0ah_mygoddess
DOODLE骨の髄まで愛してよ、ってやつ🎂‼️ 誕生日でも記念日でもないけれど、ノアがケーキを買ってきた。二人だから二切れで事足りるはずなのに、ノアはホールで買ってくる。小さめのものならまだしも、かなり大きい。どうせ二対八くらいの割合で、ノアが食べるのだ。
今日もケーキがあると知ったのはセックスしてからだった。
二人してベッドに寝転んで、おれがタバコをふかそうとした時だ。ノアは何かを思い出したかのようにのそのそと起き上がる。よく見えないからベッドサイドの眼鏡をかけた。
「そうだった、シャロ。今日ケーキあるよ」
「今から? 太るぞ」
「運動したから大丈夫」
セックスが運動になるのはノアじゃなくて、腰振ってたおれだと思うけどめんどくさいからもう何も言わない。冷蔵庫から白い箱を持ってきて、ノアはベッドの上で広げた。
2662今日もケーキがあると知ったのはセックスしてからだった。
二人してベッドに寝転んで、おれがタバコをふかそうとした時だ。ノアは何かを思い出したかのようにのそのそと起き上がる。よく見えないからベッドサイドの眼鏡をかけた。
「そうだった、シャロ。今日ケーキあるよ」
「今から? 太るぞ」
「運動したから大丈夫」
セックスが運動になるのはノアじゃなくて、腰振ってたおれだと思うけどめんどくさいからもう何も言わない。冷蔵庫から白い箱を持ってきて、ノアはベッドの上で広げた。
n0ah_mygoddess
DOODLEノアシャロとアート おれはノアの手をそっと握った。こいつが消えてしまいそうな気がしたからだ。おれから手を取られたノアは、慣れたはずなのにぎこちなく指を絡めてくれた。
「なに、シャロ」
「どこにも行くなよ」
「うん?……うん、分かった」
キッチンやトイレに行くなという意味かと最初は思ったのか、テレビよりも遠くを見ていたおれを見て、ノアはやっと真意を理解する。
ぼんやりと、二人で深夜のドキュメンタリーを見ていた。おれはよく知らないけど、パフォーマンスアートをノアはいつになく真面目に視聴している。おれが隣に座るとちょうど、白黒の映像で女性が指を刺したナイフを並べているところだった。
「なんだこれ」
「アブラモビッチって人。知ってる?」
5310「なに、シャロ」
「どこにも行くなよ」
「うん?……うん、分かった」
キッチンやトイレに行くなという意味かと最初は思ったのか、テレビよりも遠くを見ていたおれを見て、ノアはやっと真意を理解する。
ぼんやりと、二人で深夜のドキュメンタリーを見ていた。おれはよく知らないけど、パフォーマンスアートをノアはいつになく真面目に視聴している。おれが隣に座るとちょうど、白黒の映像で女性が指を刺したナイフを並べているところだった。
「なんだこれ」
「アブラモビッチって人。知ってる?」