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    #レオラギ

    torimizm

    CAN’T MAKEレオナさんが王宮のえらいひとを逆さ吊りにして失踪して、ラギーのもとに不審な手紙が届いた話
    続かない
    このあと王宮にスラム流トラップを仕掛けまくった実家に呼ばれたと言って帰省したレオナさんが戻らないまま一週間が過ぎた頃、学園長室に呼び出された。曰く、レオナさんの行方を知らないかと。
    「いや戻ってきてないッスよね?」
    その一言であっさりと解放されて、とりあえず不審だったので探りを入れてみたところどうやら帰省中に失踪してしまったらしい。その場合の出席日数はどうなるのだろう。帰省自体は公務だから公欠扱いだったと思うが、失踪後も公欠は続くのか。たぶん今大人達はそれどころじゃないのだと思うけど欠席か公欠かでたぶん来年の同級生が一人増えるかどうかが決まると思うのでオレとしては大変に心配だった。
    仕方がないので翌日オレは何人かの教師に「レオナさんは進級できそうですか」と聞いて周り、行く先々で「他に心配することはないのか」と呆れられてしまった。いやだってレオナさんだし、仮に事件に巻き込まれていたとしてもオレが心配するようなことじゃない。それにこっちに行方を尋ねてきたのなら十中八九事件じゃなくて自発的な出奔なので、それならオレが心配すべきはレオナさんの単位しかない。
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    ざくろ

    DOODLE適当に書いただけです。
    飢え最初にあいつを見たときは、なんとも思わなかった。上っ面だけの笑顔、たまに見せる暗く、淀み、誰も信じていない目、よくあることだ。そいつは、スラム育ちだという。制服を買う金がないのかいつもシャツを一枚着ているだけだった。周りにいるやつは笑うか、哀れみの目を向けるだけだった。同じだ。誰も信じられず、相手の顔色をうかがいながら会話をする。昔の俺と同じだった。周りを見ながら、王の弟として振る舞わなければいけないあの時と。ある日、あいつが他の寮の奴らに絡まれていた。なんで、スラム出身の奴がいるんだ、ゴミ溜めに帰れ。そんな内容だったと思う。だが、俺はそんな内容より、あいつのほうが気になった。まるで勝ちを確信したような目。薄っすらと笑っている口元。本来ならば危機的状況のはずだが、あいつはそれを楽しんでいた。少し目を離しただけだった。しかし、あいつにはそれで十分だった。次に見たときには、全員が地面でのたうち回っていた。もう、あいつはいなかった。ただ単に、興味が湧いた。これからあいつがどんな動きをするのか、と。次の日、あいつを俺の部屋に呼んだ。うわべだけはにこにこしているが、内心怯えているのがわかった。名前はラギーというらしい。使えなさそうだったたら捨てよう。そう思ってた。そう思っていた…はずだった。あいつは、優秀だった。勉強は苦手だが、家事はすべてあいつが…ラギーがこなしていた。ラギーはいつも、笑顔でこちらの様子を伺いながら生活していた。俺に対して本気で怒ったことはなかった。あの時までは。俺がオーバーブロットしたとき、あいつが初めて本気で怒ったのを見た。その姿を見た瞬間、できないことを夢見て本気になろうとするあいつにむかついた。必死になっているラギーにむかついた。小さい頃、努力すれば王になれる。兄貴を超えられると勘違いしてた俺に似ていたから。だから…。
    1985