りう_
MAIKINGフォ学オンリーの新作です。完成は後日になりますが、登場人物数人で繰り広げられるフォ学サスペンス?のようなもの。
出来上がり次第、追記していく予定です。
あんまりフィガ晶♂ではないですが、追々そうなっていくと思います。
※開幕で人が死んでいますので要注意。
フォ学なんちゃってサスペンス「……っ」
ぴちゃり、と音を立てるものはなんだろう。ぼんやりと足元を見下ろす先に、見覚えのある色が見えた。
ふわふわと柔らかそうで、けれど冬の海のような、どこか冷たさをはらんだ灰と青。
暗闇に目が慣れて来たのか、ゆっくりと目の前の光景が像を結ぶ。いつも清潔に整えられているはずの髪が乱れて、その色が床に散っていた。
「…ぁ…」
知らず、声が漏れる。視線が、無意識にその先を追う。
ぴちゃり。もう一度あの音がした。
その時初めて、嗅ぎ慣れない何かの匂いを感じる。生臭く、空気ごと重くするようなその匂い。
灰青の先。多分、背中のあたり。ベージュのベストが赤黒くグラデーションしている。
どうしてだろう。
鮮烈すぎる光景は思っていたよりも彩度は無い。それでも、『それ』が赤いのだ。赤かったのだと分かる。分かってしまう。
3411ぴちゃり、と音を立てるものはなんだろう。ぼんやりと足元を見下ろす先に、見覚えのある色が見えた。
ふわふわと柔らかそうで、けれど冬の海のような、どこか冷たさをはらんだ灰と青。
暗闇に目が慣れて来たのか、ゆっくりと目の前の光景が像を結ぶ。いつも清潔に整えられているはずの髪が乱れて、その色が床に散っていた。
「…ぁ…」
知らず、声が漏れる。視線が、無意識にその先を追う。
ぴちゃり。もう一度あの音がした。
その時初めて、嗅ぎ慣れない何かの匂いを感じる。生臭く、空気ごと重くするようなその匂い。
灰青の先。多分、背中のあたり。ベージュのベストが赤黒くグラデーションしている。
どうしてだろう。
鮮烈すぎる光景は思っていたよりも彩度は無い。それでも、『それ』が赤いのだ。赤かったのだと分かる。分かってしまう。
りう_
DONEパラロイオンリーの展示作品。フィガ晶♂です。イベント終了しましたので全体公開に変更しました。
『好き』の感情初心者の二人が、お互いの感情を理解出来ないまま行動して戸惑ってます。
〇〇ってなんですか?/フィガ晶♂「……?」
ちゅ、と空気が微かな音を立てて、接触していた肌と肌が離れる。
肩に置かれていた彼の掌が、一度ゆるやかに二の腕へと滑って、それから持ち主の元へと戻っていく。俺のセンサーは正しく機能していて、その温度を正確に感知していた。普段は人間の平均より少し低い彼の体温。けれど、今触れていた指先はいつもより少しだけ高かったように思うーー俺の記憶領域にまだそこまで彼に関するデータがあるわけでは無かったけれど。
どうしてだろう。なぜ今、彼の指先の温度が高くて、なぜ今、俺は彼に触れられたのだろう。
今の肌と肌の接触の仕方は何?その行動を示す単語は、確かに俺の中に知識としてはある。その行為を行う理由も、情報としては知っているのだけれど。それでも、どうしても。
5489ちゅ、と空気が微かな音を立てて、接触していた肌と肌が離れる。
肩に置かれていた彼の掌が、一度ゆるやかに二の腕へと滑って、それから持ち主の元へと戻っていく。俺のセンサーは正しく機能していて、その温度を正確に感知していた。普段は人間の平均より少し低い彼の体温。けれど、今触れていた指先はいつもより少しだけ高かったように思うーー俺の記憶領域にまだそこまで彼に関するデータがあるわけでは無かったけれど。
どうしてだろう。なぜ今、彼の指先の温度が高くて、なぜ今、俺は彼に触れられたのだろう。
今の肌と肌の接触の仕方は何?その行動を示す単語は、確かに俺の中に知識としてはある。その行為を行う理由も、情報としては知っているのだけれど。それでも、どうしても。