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DONE #ぐだマンワンドロワンライお題「ウィンターキャラバン」(-30min)ほう、と息を吐くと、白く煙り天へと昇って行った。吐息がまた透明な夜空へと溶けていく様を眺めていると不意に背中に重みを感じ、目をそちらへと向ける。
「マスター、夜更かしっすね」
マンドリカルドだった。声を聞かずとも気配で何となくそんな気がしていたけれど。普段の鎧姿ではなく街中にでも居そうな軽装に身を包んだマンドリカルドは、ごとりと音を立てて床に何か置いたかと思うと、「どうぞ」と言いながらそれを俺の手元へと押し出した。
「わ、ココアだ。ありがとう」
青いマグカップに並々注がれたそれはとろりとした肌に空の濃紺を映している。手に取ると焼けるように熱い。きっとココアが冷めないようにマグカップを温めてくれたんだと思うと、その小さな気遣いに心がじんと温かくなった。こういうところがあるヤツなのだ。マンドリカルドってヤツは。
「今日は楽しかったすね」
まるで風にでも囁きかけるように、穏やかな声がする。焦って早口になるでもなく、気まずそうに口ごもるでもなく、吐息のように穏やかでなめらかな声。マンドリカルドがこんな声で話すのだと知ったのはつい最近だ。また知らない一面を知ることが出来たと嬉しくなったのを 1515