Recent Search

    affett0_MF

    @affett0_MF

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 52

    affett0_MF

    DONE #ぐだマンワンドロワンライ
    お題「ウィンターキャラバン」(-30min)
    ほう、と息を吐くと、白く煙り天へと昇って行った。吐息がまた透明な夜空へと溶けていく様を眺めていると不意に背中に重みを感じ、目をそちらへと向ける。
    「マスター、夜更かしっすね」
     マンドリカルドだった。声を聞かずとも気配で何となくそんな気がしていたけれど。普段の鎧姿ではなく街中にでも居そうな軽装に身を包んだマンドリカルドは、ごとりと音を立てて床に何か置いたかと思うと、「どうぞ」と言いながらそれを俺の手元へと押し出した。
    「わ、ココアだ。ありがとう」
     青いマグカップに並々注がれたそれはとろりとした肌に空の濃紺を映している。手に取ると焼けるように熱い。きっとココアが冷めないようにマグカップを温めてくれたんだと思うと、その小さな気遣いに心がじんと温かくなった。こういうところがあるヤツなのだ。マンドリカルドってヤツは。
    「今日は楽しかったすね」
     まるで風にでも囁きかけるように、穏やかな声がする。焦って早口になるでもなく、気まずそうに口ごもるでもなく、吐息のように穏やかでなめらかな声。マンドリカルドがこんな声で話すのだと知ったのはつい最近だ。また知らない一面を知ることが出来たと嬉しくなったのを 1515

    affett0_MF

    TRAININGぐだマンワンドロワンライ
    お題「天使の囁き/ダイヤモンドダスト」
    はぁ、と吐き出した息が白く凍っていく。黒い癖毛を揺らしながら雪を踏みしめ歩く少年が鼻先を赤く染めながらもう一度大きく息を吐いた。はぁ。唇から放たれた熱が白く煙り、大気へと散らばっていく。その様子を数歩離れたところから眺めていた思慮深げな曇り空色の瞳をした青年が、口元に手をやり大きく息を吸い込んだかと思うと、
    「なぁマスター、あんまり深追いすると危ねぇっすよ」
    と声を上げた。
     マスターと呼ばれた癖毛の少年は素直にくるりと振り返ると、「そうだね」と笑みと共に返し、ブーツの足首を雪に埋めながら青年の元へと帰ってきた。
     ここは真冬の北欧。生命が眠る森。少年たちは微小な特異点を観測し、それを消滅させるべくやってきたのであった。
    「サーヴァントも息、白くなるんだね」
     曇空色の瞳の青年の元へと戻った少年が鼻の頭を赤くしたまま、悪戯っぽく微笑んだ。そこではたと気が付いたように自分の口元に手をやった青年が、「確かに」と短く呟く。エーテルによって編み上げられた仮の肉体であるその身について、青年は深く考えたことはなかった。剣――というよりも木刀だが――を握り、盾を持ち、己の主人であるマスターのために戦 2803

    affett0_MF

    PROGRESSぐだマン版ワンドロワンライ
    2/6、2/7お題「節分」
    振りかぶって……投げました! そんな言葉が相応しい挙動で子どもサーヴァント達が我先にと目の前の鬼――もとい、紙製の鬼の面をつけた我がマスター――へと煎り大豆を投げつけている。
     どうやら今日はマスターの祖国では節分と呼ばれる日に当たるらしい。なんでも皆が健康で幸福に過ごせますようにという意味が込められた行事ごとらしく、悪いものを鬼、良いものを福の神と称し家から鬼を追い出し福の神を呼び入れるために行われるのだそうだ。豆をまく理由についてはマスターもよく知らないらしく、「後で調べておくね」と言っていた。
     そんなマスターと言えば、今はその節分とやらを子どもの姿をしているサーヴァント達に事前に説明した上で自らが鬼役となって豆をぶつけられまくっている。食事の用意のために抜け出すまではエミヤやブーディカさんも居たし、今はアタランテも鬼役に加わり場内は大盛り上がりというヤツだ。真っ白な食堂中にきゃあきゃあと悲鳴のようで笑い声のような声が響き渡っている。そしてそれを食堂の隅っこで遠巻きに眺めながらよくやるなぁと感心しているのが陰キャの俺だ。これが世の常、世界の縮図である。
     正直なところ妙な予感がし 3032

    affett0_MF

    TRAINING140ssまとめ。
    お題は
    140文字で書くお題ったー
    https://shindanmaker.com/375517
    より
    「週7日制」

    熱く湿った唇がまるでくすぐるように軽く唇に触れたかと思うと、すぐさま熱が遠のき、代わりに花が咲くような笑みを返された。
    「おやすみ、マンドリカルド」
    昨日一昨日そしてその前の日も繰り返された日常になりつつある温もりと笑顔。これが明日明後日そしてその次の日と繰り返されていけたなら。

    「ずるい人」大学生ぐだマン

    グラスが空になった頃、不意に肩に重さと熱が触れたと思ったら、首すじを柔く甘く噛まれた。
    「ちょっ……酔ってるんすか!?」
    「酔ってるのかなぁ……酔ってるかも」
    その言葉を聞き終えるよりも早くついさっき首すじを食んだ唇が今度はがぶりと唇に噛み付くもんだから、思わずぎゅっと目を閉じた。

    「いえない一言」大学生ぐだマン

    「立香って好きな人いるんすか?」
    不意に放たれた言葉に危うく口の中のお茶を吹き出しそうになった。
    「え、急に何?」
    「いつも俺と遊んでくれてるけどそういう人いたら悪いなって」
    「い、いや、今はいない、かな」
    そっすか、と笑う横顔が眩しくて。
    今すぐキミが好きだよって言えたらいいのに!

    「愛される条件」

    涼しげな目元とか、気遣いが上手いとか、俺の 1588