saf_mhyk
DONEブラネロWebオンリー「そういうことにしてるつもり!」13開催おめでとうございます!サクッと楽しんでいただきたい、口溶けの軽いお話です🍫(今年のバレンタインイベのログスト(1)を下敷きにしています。読まなくてもたぶん分かりますが、読んでからの方がよりクスッとしていただけるかも)
最近「不憫ネが美味しいブーム」が何度目かの再燃をしています。
そういうことです バアン! と派手な音を立てて、バーの扉が開く。さては北の連中か、と身構えた拍子に、ネロは今しがた口に入れたばかりのものを飲み込んでしまった。
「んぐっ……」
——あ、勿体ねえ……。
鼻に抜ける、濃厚かつ芳醇な、甘い香り。しかし、バーの中にほとんど転がり込む勢いで入ってきた意外な人物に、余韻を味わおうという気分は吹き飛んでしまった。
「ネロ!! ……っ! ああ、遅かったか……!」
「ファウスト……!? どうした、そんなに慌てて」
ファウストはよほど急いで駆けてきたのか、乱れた髪の毛と衣服を直しもせず、なにかとてもまずいことでも起きたように、忙しなく視線を走らせた。
「まあまあファウスト。そう慌てずとも、どうです、あなたもひとつ」
3191「んぐっ……」
——あ、勿体ねえ……。
鼻に抜ける、濃厚かつ芳醇な、甘い香り。しかし、バーの中にほとんど転がり込む勢いで入ってきた意外な人物に、余韻を味わおうという気分は吹き飛んでしまった。
「ネロ!! ……っ! ああ、遅かったか……!」
「ファウスト……!? どうした、そんなに慌てて」
ファウストはよほど急いで駆けてきたのか、乱れた髪の毛と衣服を直しもせず、なにかとてもまずいことでも起きたように、忙しなく視線を走らせた。
「まあまあファウスト。そう慌てずとも、どうです、あなたもひとつ」
shiita_brnr
DONEブラネロwebオンリー「そういうことにしてるつもり!13」内「ブラネロ時々猫日和」の企画作品です!猫になったネロがブラッドリーへたくさん甘えるお話です。
xで繋がってくれたり、感想いただけたりするととても喜びます!どうぞよろしくお願いします!
声にならない甘え方西の国で起こった騒動に、シャイロック、ムルと共に何故か駆り出されたのがこの度のネロの騒動の始まりである。西の国のとある街の広場にある、カップルがならすと幸せになるといういかにも胡散臭い誓いの鐘に厄災が取り憑いてしまったのである。その鐘を一緒についたカップルは幸せになるどころか大喧嘩に発展し、もれなくみんな破局して、ついには鐘の打ち壊し計画が立ちそうになったところで街の観光資源がなくなるのを危惧した街人たちから賢者の元へ依頼が入ったのだ。依頼の難易度自体はよくあるもので、鐘についた厄災を倒したことで事態は収束した。しかし、それまで破局状態にあったカップルが一斉によりを戻したものだから、あたりは幸せ一色のピンク色の雰囲気が漂って、消極的で孤独を好む東の国の者にとってはだいぶ居心地の悪い空間になってしまっていた。
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