enokoro_TRPG
DONE羊水に溺れて死にたい/たくしゅ二次創作です ざあざあと降る雨がスカートを濡らす。傘は上半身についていくけれど、踏み出す足を守ってはくれなかった。濡れるのは嫌だ。重くなったスカートは足に纏わりついて不快だし、視界に雫が映ると前が見えない。
だけど、雨は嫌いじゃなかった。濡れた体を放っておけない人が俺のために存在する。そんなことも有り得るのだと最近は知っていた。扉を開けて出迎えてくれたその人を見ると、温かい湯船に浸かっているような気分になる。全てを曝け出す心許なさに、それを覆うほどの安心感だ。
「わー、びっしょびしょ」
目を丸くした秋先輩がばたばたと忙しなく動く。これくらい大丈夫です、と言って中に入れば、彼はすかさず口を挟む。
「風邪引くから駄目だってば。そうやってすぐ意地張る……」
1016だけど、雨は嫌いじゃなかった。濡れた体を放っておけない人が俺のために存在する。そんなことも有り得るのだと最近は知っていた。扉を開けて出迎えてくれたその人を見ると、温かい湯船に浸かっているような気分になる。全てを曝け出す心許なさに、それを覆うほどの安心感だ。
「わー、びっしょびしょ」
目を丸くした秋先輩がばたばたと忙しなく動く。これくらい大丈夫です、と言って中に入れば、彼はすかさず口を挟む。
「風邪引くから駄目だってば。そうやってすぐ意地張る……」