薬膳りんごカルピス
PAST高咲と歩夢ちゃんが一緒に登下校する話『そういうの』冬の空気は頬に冷たく、吐く息が白く曇る。私たちは放課後の帰り道、人気の少ない公園のベンチで一息ついていた。マフラーをぐるぐる巻きにして、コートのポケットに手を突っ込んでいるけれど、それでもやっぱり寒い。
隣で侑ちゃんが空を見上げている。彼女の顔がほんのり赤いのは、寒さのせいだろうか。それとも夕焼けの光のせいだろうか。そんなことをぼんやり考えながら、私はぎゅっと肩をすくめる。
「歩夢、こっちきて」
突然、侑ちゃんが私を呼ぶ。その声に顔を上げると、彼女はじっと私を見つめていた。
「え、なに?」
少し不安になりながらも、私は彼女の近くに寄る。すると、侑ちゃんは何も言わずに自分の首に巻いていたマフラーを外して、それを私の首に優しく巻きつけた。
1559隣で侑ちゃんが空を見上げている。彼女の顔がほんのり赤いのは、寒さのせいだろうか。それとも夕焼けの光のせいだろうか。そんなことをぼんやり考えながら、私はぎゅっと肩をすくめる。
「歩夢、こっちきて」
突然、侑ちゃんが私を呼ぶ。その声に顔を上げると、彼女はじっと私を見つめていた。
「え、なに?」
少し不安になりながらも、私は彼女の近くに寄る。すると、侑ちゃんは何も言わずに自分の首に巻いていたマフラーを外して、それを私の首に優しく巻きつけた。
薬膳りんごカルピス
PAST「ねえ、侑ちゃん。私、ずっと侑ちゃんのこと好きだったんだよ。友達として、じゃなくてひとりの女の子として」「うん。知ってた」
幼馴染の花嫁姿を見送る、高咲の話
「福音」私は立ちすくんだまま、祭壇の前に佇む歩夢を見つめていた。彼女の笑顔は純粋で、どこか懐かしさを感じさせる。ほんと、小さい頃から何も変わってない。幼い頃から共に過ごしてきた記憶は、まるで昨日のことのように鮮明で、それらが心を埋め尽くすたびに、胸が締め付けられる。
披露宴が終わり、参加者が帰り支度を始める中、私はやっとの思いで歩夢に近づいた。彼女は振り向き、静かに微笑む。
「ねえ、侑ちゃん。私、ずっと侑ちゃんのこと好きだったんだよ。友達として、じゃなくてひとりの女の子として」
歩夢の言葉は、まるで時が止まったかのように私の心に響いた。本当はずっと前から気づいていた。でも、私が知らないふりをし続けたせいで、ついぞ、名前さえつかなかった歩夢の感情。それが今、私の目の前にある。
946披露宴が終わり、参加者が帰り支度を始める中、私はやっとの思いで歩夢に近づいた。彼女は振り向き、静かに微笑む。
「ねえ、侑ちゃん。私、ずっと侑ちゃんのこと好きだったんだよ。友達として、じゃなくてひとりの女の子として」
歩夢の言葉は、まるで時が止まったかのように私の心に響いた。本当はずっと前から気づいていた。でも、私が知らないふりをし続けたせいで、ついぞ、名前さえつかなかった歩夢の感情。それが今、私の目の前にある。