ChomChima
MOURNING昔書いたコキュリュ小説。リュートちゃんのお誕生日をお祝いする…的な…ありがちなやーつ。付き合いたてでまだ何も進展していないコキュリュ。「蜜月離宮」に収録。愛しき言 尽くしてよコキュウの目の前には、ベッドにちょこんと座り、期待に満ち満ちた瞳でこちらを見つめるリュートが居た。さながら主人と遊ぶのを待っている子犬のよう。当のコキュウは同じくベッドに横並びに座り、どうしたものかと頭を抱えている。
ここはスフォルツェンド公国大神官、リュートの自室。リュートはスフォルツェンド史上始まって以来の法力使いで、古代魔法を得意とするところもあり、壁の本棚には魔導書や古文書がギッシリと並べられている。科学立国の王子であるコキュウには、縁遠いものばかりだった。部屋の一角には、プレゼントや花束が山のように積み上げられている。先日行われたリュートの生誕祭で献上されたものだろう。色とりどりの包み紙が目に鮮やかだ。これでも既に半分以上は開封され、リュートを楽しませていた。あるものは珍しい書物、あるものは異国の名産品で、どれもリュートのためにと選ばれたものだった。
4214ここはスフォルツェンド公国大神官、リュートの自室。リュートはスフォルツェンド史上始まって以来の法力使いで、古代魔法を得意とするところもあり、壁の本棚には魔導書や古文書がギッシリと並べられている。科学立国の王子であるコキュウには、縁遠いものばかりだった。部屋の一角には、プレゼントや花束が山のように積み上げられている。先日行われたリュートの生誕祭で献上されたものだろう。色とりどりの包み紙が目に鮮やかだ。これでも既に半分以上は開封され、リュートを楽しませていた。あるものは珍しい書物、あるものは異国の名産品で、どれもリュートのためにと選ばれたものだった。
ChomChima
MOURNING昔書いたコキュリュその2。悪夢にうなされるリュートくんがコキュウ兄さんに少し救ってもらう話。大人っぽいコキュウ兄さんとかっこよく戦うリュートくんが書きたかったです。薄明の誓い夢の中ではリュートはいつも一人で、魔族の大群に囲まれていた。生暖かく血なまぐさい風が頬を撫でる。瓦礫の山に立つリュートが身の丈ほどもある剣を振り回すと、同心円状に衝撃波が拡がりその場にいた魔族がなぎ倒された。咆哮、悲鳴、地鳴り。音としてでは無く、脳内で認識される。いやに体が重たく動きづらいのもいつもの事だった。夢の中のリュートは焦っている。逃げ惑う魔族を追いかけて、一匹残らず始末しなければならないのに。蜘蛛の子を散らすように逃げる魔族の一体を掴み、両手に法力を込めて引きちぎる。一度では飽き足らず、何度も拳をその魔族に叩きつけた。肉を抉る感覚が妙にリアルだった。水風船のように破裂する内臓も、指にまとわりつく血も、全てが不快だった。いや、果たして本当にそう思っているのだろうか。どうして執拗に、繰り返し嬲っているのだろうか。リュートには分からなくなっている。そして魔族の肉片は宙を舞う。だめ、見てはいけない。抵抗したいのに、目が離せない。飛び散る魔族の頭部が、回転しながらぐるりとこちらを向いた。嫌だ、止めて。
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