n0ah_mygoddess
GARABATEARノアシャロとアート おれはノアの手をそっと握った。こいつが消えてしまいそうな気がしたからだ。おれから手を取られたノアは、慣れたはずなのにぎこちなく指を絡めてくれた。
「なに、シャロ」
「どこにも行くなよ」
「うん?……うん、分かった」
キッチンやトイレに行くなという意味かと最初は思ったのか、テレビよりも遠くを見ていたおれを見て、ノアはやっと真意を理解する。
ぼんやりと、二人で深夜のドキュメンタリーを見ていた。おれはよく知らないけど、パフォーマンスアートをノアはいつになく真面目に視聴している。おれが隣に座るとちょうど、白黒の映像で女性が指を刺したナイフを並べているところだった。
「なんだこれ」
「アブラモビッチって人。知ってる?」
5310「なに、シャロ」
「どこにも行くなよ」
「うん?……うん、分かった」
キッチンやトイレに行くなという意味かと最初は思ったのか、テレビよりも遠くを見ていたおれを見て、ノアはやっと真意を理解する。
ぼんやりと、二人で深夜のドキュメンタリーを見ていた。おれはよく知らないけど、パフォーマンスアートをノアはいつになく真面目に視聴している。おれが隣に座るとちょうど、白黒の映像で女性が指を刺したナイフを並べているところだった。
「なんだこれ」
「アブラモビッチって人。知ってる?」