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    #フラソニ

    frasoni

    あたりめ

    DONEソニックちゃんの自分語りっぽいもの
    過去捏造、微ネタバレあり
    フラソニ未満
    こんな感じに思ってたらいいなぁ程度のものです
    似てない僕たちは 最初からこんなことになるくらいなら、奴に世話を焼くんじゃなかった。床に伏せて思案に暮れたところで今更意味はない。最初から仕組まれていたことなのかどうかは定かではないが、たしかに奴には覚悟があったのだろう。

     俺と奴が初めて出逢ったのは、忍者の里で定期的に行われていた班分けの試験の後だった。夕陽を眩しいくらいに照り返すブロンドの髪の、ちょうど同い年だった子供。五班に振り分けられていることが多かった奴は、所謂落ちこぼれだろう。というのも、班分けで一番成績の悪かった者が五班に行くからである。落ちこぼれのふりをして大人達の目を欺き、わざと五班に行くことで、己により厳しい修行を課して鍛え抜いてきた俺は、幾分かの余裕が心と身体にあったので、いつも見かける例の子供(と言ってもその時の俺も子供だったが)のことをいつも憐れに思っていた。きっと弱いからここから出られないんだ。一つも疑う余地はなく、まだ純然たる良心の塊だった俺は、臆することなく憐れなブロンド髪に話しかけた。ブロンド髪は自分のことを「閃光のフラッシュ」と名乗った。よくよく向き合って見てみれば、奴と俺はどこも似ていなかった。髪は光を反射して輪郭すら朧げで、俺の夜を吸い込んだような黒髪とは正反対に思えた。しかも挨拶や冗談を言っても、奴の表情は眉根一つ変わらなかった。俺とは違いユーモアの欠片もないような奴だ。ただ、初めて見た奴の瞳には光が宿っていた。強く突き刺すような光。名は体を表すとは正しくこのことなのだろう。かと言って嫌いじゃない。寧ろ他の目の死んだ奴らよりもずっと好ましく思えた。
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