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    あたりめ

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    気ままに投げます。ジャンル雑多

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    あたりめ

    DONEタイトルは@udonisoishii様の「タイトル考えったー」からお借り致しました

    本編完了後の10年後で、イタリアに移籍した綱吉くんと、面倒見のいい部下の骸さんの一コマ
    2人は付き合っててやることもやってます。
    雰囲気だけなのでゆるっと読んで頂けたら幸いです。
    綱吉くんは大分スレてて電波気味だし、骸さんもツッコミを放棄してます。カオスです。イタリアとボンゴレ周りについての捏造を多大に含みます。
    歴代の眠り ボンゴレ本部があり、昨今は己が庭のように感じるイタリアの大地に彼らは眠る。彼らとは、歴代のボンゴレの長である。荘厳な教会の奥、関係者しか立ち入ることが許されていない一角に、ドン・ボンゴレたちの墓が存在する。小高い丘に一際大きな十字が建てられており、ぶら下がる白百合のリースが、イタリアの穏やかな風に揺られている。ボンゴレプリーモ–ジョットに捧げられたリースはあたかも聖人を讃えるかの如く、小ぶりながらも清廉で高潔な匂いを撒いていた。
     この風景を現在のボス、ボンゴレデーチモである沢田綱吉はいたく気に入っていた。緑広がる丘に髪に吹き抜ける潮風、白を基調とした海の街の爽やかな風景、教会から響く、死者を弔い生者を慰める鐘の音…紺碧の水面がキラキラと乱反射するたび、あの光は先代たちの炎の煌めきで、今でもここからボンゴレファミリーや、ひいてはこの街全体を見守っているんじゃないかと錯覚する。特に彼の出身である日本ではこんな風景は滅多にみられず、目の前の光景は何処か御伽めいているように感じられた。死者を神聖視したいわけではないが、現在進行形でマフィアを束ね、数え切れない程の罪を犯した己がいてはいけない場所のような気がしてきた。重ねてきた罪は目の前で安らかに眠る彼らの方が大きく重たいのだろう。しかし罪の背比べは、罪悪感に苛まれながらも、どんどんと初々しい感情を無くし、他人を傷つけることを厭わなくなってきた綱吉には意味の無いものになっている。誰かを傷つける大義名分に「大切な人を守る」を使うあたり、綱吉は自分がとても姑息な人間なんじゃないかと信じて疑わなかった。こんなにブルーな思考に陥っていると、かの家庭教師に一発蹴られそうだが、生憎この場には、あの時より背の伸びた最強の殺し屋は来ていなかった。
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    あたりめ

    DONEソニックちゃんの自分語りっぽいもの
    過去捏造、微ネタバレあり
    フラソニ未満
    こんな感じに思ってたらいいなぁ程度のものです
    似てない僕たちは 最初からこんなことになるくらいなら、奴に世話を焼くんじゃなかった。床に伏せて思案に暮れたところで今更意味はない。最初から仕組まれていたことなのかどうかは定かではないが、たしかに奴には覚悟があったのだろう。

     俺と奴が初めて出逢ったのは、忍者の里で定期的に行われていた班分けの試験の後だった。夕陽を眩しいくらいに照り返すブロンドの髪の、ちょうど同い年だった子供。五班に振り分けられていることが多かった奴は、所謂落ちこぼれだろう。というのも、班分けで一番成績の悪かった者が五班に行くからである。落ちこぼれのふりをして大人達の目を欺き、わざと五班に行くことで、己により厳しい修行を課して鍛え抜いてきた俺は、幾分かの余裕が心と身体にあったので、いつも見かける例の子供(と言ってもその時の俺も子供だったが)のことをいつも憐れに思っていた。きっと弱いからここから出られないんだ。一つも疑う余地はなく、まだ純然たる良心の塊だった俺は、臆することなく憐れなブロンド髪に話しかけた。ブロンド髪は自分のことを「閃光のフラッシュ」と名乗った。よくよく向き合って見てみれば、奴と俺はどこも似ていなかった。髪は光を反射して輪郭すら朧げで、俺の夜を吸い込んだような黒髪とは正反対に思えた。しかも挨拶や冗談を言っても、奴の表情は眉根一つ変わらなかった。俺とは違いユーモアの欠片もないような奴だ。ただ、初めて見た奴の瞳には光が宿っていた。強く突き刺すような光。名は体を表すとは正しくこのことなのだろう。かと言って嫌いじゃない。寧ろ他の目の死んだ奴らよりもずっと好ましく思えた。
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