陽炎@ポイピク
PROGRESS #プロペシ没後二十年『ふたりの地獄巡り』
カップリングというよりコンビ感強めねぇ、兄貴。
オレが暗殺チームにやって来たのも4月1日だったっけ。
オレ、すげぇオドオドしてたよな。
これからギャングとしてやって行けるか不安で、教育係になった兄貴の前でも怯えてたっけ。
「お前が覚えるべきなのは殺し方じゃねぇ。ギャングとしての立ち振る舞いだ」
そう言い放つ兄貴の歩幅は大きくてオレは小走りで着いて行くだけでもやっとだった。
兄貴は叱るべき時は滅茶苦茶怒るし殴る蹴るもしてきたけれど、オレを絶対に見限ったり見捨てたりせず必ずフォローもしてくれた。
任務ではスタンド能力だけに頼りきらずに戦う兄貴の姿は、本当に格好良くてオレの憧れで尊敬だった。いつか兄貴のようになりてぇって気持ちで一緒に仕事していた。
でもやっぱりオレは肝心な所でビビっちまって兄貴に迷惑を掛けてばっかりで。
「オレ、やっぱりギャングなんて向いてねぇよ。兄貴の足を引っ張ってばっかりだしチームの皆だってきっとオレの事をお荷物だって思ってる」
悩んでる事があるなら全部話せと兄貴に迫られた時、オレは泣きながらそんな弱気な事を口走っちまったよな。
兄貴は長い溜息と共にオレの頭をデコピンしたっけ。
「本当にお前が使えねぇ奴 1114