8kawa_8
DONEミスレノです。ミスレノかな(自信喪失)ミスレノ好きなお友だちのお誕生日お祝いです、短めです。
【ミスレノ】信じられないものをみた。 東の国の北部にある、国境付近の森。ここは獰猛な獣と魔法生物が多く生息する土地であって、弱い魔法使いの鍛錬にうってつけの場でもあった。ルチルを連れてきた時はその非力さに命の危機さえ感じて鍛錬どころではなくなったが、シノの場合は意気揚々と魔物たちと対峙して、良い経験を詰めたと本人も手ごたえを感じた様子でミスラに感謝を述べていたことが記憶に新しい。
だから同じように鍛錬が好きで、かつミスラにとっては強くなってもらう必要のある魔法使い――つまりはフローレス兄弟の保護者役をしているレノックスだ――をこの森に連れてこようと考えたのは、ミスラの抱える事情を汲めば自然な流れであったし。そうして森に投げ込まれた男が、人間の気配を嗅ぎつけた獣たちから身を守るために戦う姿勢を見せることも、当然のことではあったけれども。
2276だから同じように鍛錬が好きで、かつミスラにとっては強くなってもらう必要のある魔法使い――つまりはフローレス兄弟の保護者役をしているレノックスだ――をこの森に連れてこようと考えたのは、ミスラの抱える事情を汲めば自然な流れであったし。そうして森に投げ込まれた男が、人間の気配を嗅ぎつけた獣たちから身を守るために戦う姿勢を見せることも、当然のことではあったけれども。
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DONEミスレノです。友だちに突然「レの爪を塗るミミは……いるよ……」という怪文書を送ったので、ちゃんと形にしました。【ミスレノ】指先に込めるは「信じられません」
碧色の、気だるい瞳。それらがじとりと湿度を持って、自分を咎めるように見つめている。
瞳同士の距離が近く、睫毛の一本さえもが視界に映ることもそうだし。信用を失ったと、非難がましく訴えてくるような仕草もそうだ。長身で、誰からも誠実で信頼がおける男であると評価されるレノックスにとって、ミスラの行動はどうにも新鮮に映っていく。
「俺は言いましたよね、この日、この時間に、あなたの爪を借りるって。なんで何も準備をしていないんですか」
「確かに言われはしたが……」
ミスラは気まぐれだから、と。喉元まで出てきた言葉をそのままレノックスは飲み込んだ。だからの先に続く言葉は、ミスラの立てた予定を尊重せずに無下にした己を、正当化するためのものであったからだ。
3712碧色の、気だるい瞳。それらがじとりと湿度を持って、自分を咎めるように見つめている。
瞳同士の距離が近く、睫毛の一本さえもが視界に映ることもそうだし。信用を失ったと、非難がましく訴えてくるような仕草もそうだ。長身で、誰からも誠実で信頼がおける男であると評価されるレノックスにとって、ミスラの行動はどうにも新鮮に映っていく。
「俺は言いましたよね、この日、この時間に、あなたの爪を借りるって。なんで何も準備をしていないんですか」
「確かに言われはしたが……」
ミスラは気まぐれだから、と。喉元まで出てきた言葉をそのままレノックスは飲み込んだ。だからの先に続く言葉は、ミスラの立てた予定を尊重せずに無下にした己を、正当化するためのものであったからだ。