タケオ
DONEクリスマスプレゼントの話「柳岡はん、この後時間あるか?」
練習上がりはすぐにジムを出て行く千堂が珍しく残り、事務所で残務整理をしている柳岡に声をかける。
「おぉ、どうした?」
「いやまぁ、ちょっとな」
書類から目を離さずに返事をすると歯切れの悪い言葉が返ってきた。視線だけ千堂へ向けると、どうにも様子がおかしい。
いつもならこちらの様子なんて構わずに直接用件から話し出すような男が言い淀み、視線を合わそうとしないのである。
まさかまた何かやらかしたのか…と嫌な予感がよぎるが、まずは様子を見ることにした柳岡は視線を再び書類に戻す。
「後はもうここ片付けて閉めるだけや。もう少し待っとけるか?」
「わかった。ほなロッカーで待っとくわ」
扉を閉めて遠ざかって行く足音を聞き、柳岡はため息と共に眉間に皺を寄せる。
2319練習上がりはすぐにジムを出て行く千堂が珍しく残り、事務所で残務整理をしている柳岡に声をかける。
「おぉ、どうした?」
「いやまぁ、ちょっとな」
書類から目を離さずに返事をすると歯切れの悪い言葉が返ってきた。視線だけ千堂へ向けると、どうにも様子がおかしい。
いつもならこちらの様子なんて構わずに直接用件から話し出すような男が言い淀み、視線を合わそうとしないのである。
まさかまた何かやらかしたのか…と嫌な予感がよぎるが、まずは様子を見ることにした柳岡は視線を再び書類に戻す。
「後はもうここ片付けて閉めるだけや。もう少し待っとけるか?」
「わかった。ほなロッカーで待っとくわ」
扉を閉めて遠ざかって行く足音を聞き、柳岡はため息と共に眉間に皺を寄せる。
タケオ
DONE書いてて気付いた。この二人一緒に暮らしている。
雪の日深夜、かすかに眩しさを感じて千堂は目を覚ました。
開ききらない目を凝らし部屋の中を見渡すと、わずかに開いてたカーテンの隙間から外灯の光が差し込んでいる。
「あ〜もう…」
目ぇ覚めてもうたわ、と大きなあくびと共にぽつりとこぼし、隣で寝ている柳岡を起こさないようそっとベッドから這い出す。
カーテンを閉めようと窓の側へ近づくと、いつもより心なしか外が明るい気がする。
なるべく音をたてないよう体ひとつ分にカーテンを開き、ゆっくりと鍵を開けドアを滑らせる。
途端にキンと張った冷たい空気が流れて込み、体の表面の温度が奪われていく。
ベランダに出てみると、外は一面に大粒の雪がふわふわと舞い降りていた。
(昨日からどうりで寒いはずや)
1342開ききらない目を凝らし部屋の中を見渡すと、わずかに開いてたカーテンの隙間から外灯の光が差し込んでいる。
「あ〜もう…」
目ぇ覚めてもうたわ、と大きなあくびと共にぽつりとこぼし、隣で寝ている柳岡を起こさないようそっとベッドから這い出す。
カーテンを閉めようと窓の側へ近づくと、いつもより心なしか外が明るい気がする。
なるべく音をたてないよう体ひとつ分にカーテンを開き、ゆっくりと鍵を開けドアを滑らせる。
途端にキンと張った冷たい空気が流れて込み、体の表面の温度が奪われていく。
ベランダに出てみると、外は一面に大粒の雪がふわふわと舞い降りていた。
(昨日からどうりで寒いはずや)