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TRAINING2/5ワンライお題【玉手箱/アイロン/忖度】
夏油が高専を去った後、夏油が持っていた写真を見る五条のお話です。ちょっと暗めです。
瞳の先 傑がいなくなってすぐ、彼の部屋は高専の上層部によって手が入った。傑が使っていた呪具から、傑が使っていた教科書まで、彼が呪いを残せるもの全てが持ち出され、やがて呪術師の手によって祓われ焼かれた。それは突然のことだったので、俺は少し待ってくれ、俺にもその箱たちの中身を見せてくれとせがんだ。けれど彼らは友人だった、いや五条家の人間だった俺の気持ちを認めず、結局この手には何も残らなかった。傑がいた教室はいつの間にか席は二つになり、彼が三年間を過ごした寮の部屋は封印された。俺は最後に会った時、何も出来なかった自分が不甲斐なく思えた。けれど彼が生きているだろうことには、少しばかり安堵した。あんな大量殺人を犯した友人が生きていることを、だ。高専に潜り込んでいる五条家の間諜に調べさせたところによると、上は彼を殺そうとはせず、様子見をするようだった。もしかしたら、傑が何か企んだのかもしれない。呪詛師となった彼が仲間を得たら、高専といえどおいそれと手出しは出来ないだろうから。
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TRAINING1/29ワンライお題【頬骨/十年後/卵白】
割と真面目に仕事をする2人のお話です。ちょっと薄暗い感じでキスしてます。
地下室の花束 小学校にもまだ上がらない頃、もし十年経ったら、自分はとんでもない大人(いや、子どもか?)になるって思っていた。それくらい俺に意見する人はいなくて、親でさえ俺を持て余していたからだ。
父は俺が六眼や無下限呪法を持つ子だと分かった時、母を褒め称えるとともに、俺を恐れて違う女に手を出したのだという。母はそれを悲しんで俺に慰めを求めたが、やはり俺の目が恐ろしくなって、お抱えの呪術師たちに我が子を任せて子育てをしなかった。とはいえ、これは五条が呪術界の御三家というものだから仕方がなかったのかもしれない。生まれた時から尊大な名を背負うと定められた古い名家だ、昔の風習が残っていても誰が責められただろう。そんな家に生まれた男と、そんな男が選んだ女だ。最低の人間が出来たってしょうがない。
2618父は俺が六眼や無下限呪法を持つ子だと分かった時、母を褒め称えるとともに、俺を恐れて違う女に手を出したのだという。母はそれを悲しんで俺に慰めを求めたが、やはり俺の目が恐ろしくなって、お抱えの呪術師たちに我が子を任せて子育てをしなかった。とはいえ、これは五条が呪術界の御三家というものだから仕方がなかったのかもしれない。生まれた時から尊大な名を背負うと定められた古い名家だ、昔の風習が残っていても誰が責められただろう。そんな家に生まれた男と、そんな男が選んだ女だ。最低の人間が出来たってしょうがない。