KabeYoso
DOODLE二次創作音秀が髪を切る話
ハウリング ───にいさんの髪はきれいです
子供の頃の無邪気な弟がそう褒めてくれたのが単純に嬉しくて髪を伸ばし始めていたのだな、とふと思い出す。
今となっては身だしなみに気を遣うという余裕もなく、ただ己の技量を磨こうと必死になっているが故の惰性であった。
演奏に邪魔にならぬようにとひとつに括っていたが、頭を振る度に遅れてやってくる束の揺らめきが煩わしくやめた。
ならばと団子のように丸くまとめてもみたが、今度は頭がやけに重く感じられ首や肩周りに多大な負荷がかかってやめた。
いっそ下ろしてみるか、と最低限邪魔になるだろう前髪などをひっくるめて後ろで結ぶだけのハーフアップなどにもしてみたが、やはりどうしてもヴァイオリンと顎の間にぢりぢりと髪が挟まるのでやはりこれもやめてしまった。
3223子供の頃の無邪気な弟がそう褒めてくれたのが単純に嬉しくて髪を伸ばし始めていたのだな、とふと思い出す。
今となっては身だしなみに気を遣うという余裕もなく、ただ己の技量を磨こうと必死になっているが故の惰性であった。
演奏に邪魔にならぬようにとひとつに括っていたが、頭を振る度に遅れてやってくる束の揺らめきが煩わしくやめた。
ならばと団子のように丸くまとめてもみたが、今度は頭がやけに重く感じられ首や肩周りに多大な負荷がかかってやめた。
いっそ下ろしてみるか、と最低限邪魔になるだろう前髪などをひっくるめて後ろで結ぶだけのハーフアップなどにもしてみたが、やはりどうしてもヴァイオリンと顎の間にぢりぢりと髪が挟まるのでやはりこれもやめてしまった。
KabeYoso
DOODLEなかよち幼少才羽兄弟の二次創作髪が長かった才羽兄の髪を結いたい弟
黒紅のリボン「にいさん、おねがいがあるのですが」
舌足らずながら丁寧な言葉遣いを心掛ける幼い声に音秀は柔く返事をした。
別に家族なのだからそこまで丁寧に喋らなくてもいいんだがと苦笑する兄に弟の律陽は何か自分は間違ったのかと恥じらいながら伺うように音秀を見上げた。
───動物特集番組で見た首をかしげ飼い主を見上げるポメラニアン。こちらを伺う弟の様子を愛くるしい犬と重ねくすりと笑みを深めた。音秀はそのまま掬うように律陽の手を取り、自分が座るソファの隣へ座らせる。
「すまない、おまえは何も間違っていない。むしろ綺麗な言葉づかいができていて兄さんは嬉しくなったんだよ」
えらい子だ、できた子だ。と、音秀は手放しで律陽をほめた。少し前までは頭を撫でるだのハグだのボディランゲージが多かったが、今はそれも卒業し賛辞は言葉だけにとどめるようになった。
2060舌足らずながら丁寧な言葉遣いを心掛ける幼い声に音秀は柔く返事をした。
別に家族なのだからそこまで丁寧に喋らなくてもいいんだがと苦笑する兄に弟の律陽は何か自分は間違ったのかと恥じらいながら伺うように音秀を見上げた。
───動物特集番組で見た首をかしげ飼い主を見上げるポメラニアン。こちらを伺う弟の様子を愛くるしい犬と重ねくすりと笑みを深めた。音秀はそのまま掬うように律陽の手を取り、自分が座るソファの隣へ座らせる。
「すまない、おまえは何も間違っていない。むしろ綺麗な言葉づかいができていて兄さんは嬉しくなったんだよ」
えらい子だ、できた子だ。と、音秀は手放しで律陽をほめた。少し前までは頭を撫でるだのハグだのボディランゲージが多かったが、今はそれも卒業し賛辞は言葉だけにとどめるようになった。