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DOODLEシール帳の話文具沼住人な大倶利伽羅くんと本の虫な鶴丸さん③ 大倶利伽羅の部屋には、彼にはなかなか似合っているとは言い難い可愛らしいシール帳が一冊存在している。どうやらこれは乱藤四郎にプレゼントされたものらしい。
この本丸の大倶利伽羅と乱は仲がいい。と思う。と言ったらきっと大倶利伽羅はいつものように馴れ合うつもりはないと主張するから敢えて言うことはなかったが、鶴丸からしてみてみればふたりは仲がいい。
大倶利伽羅は乱の次に顕現したようで、乱は大いに彼を構ったという。残念ながら鶴丸が顕現したのはそれから半年も後のことだからその光景を見ることが叶わなかったのが残念なところである。
大倶利伽羅ほどではないが乱も文具の類が好きだ。彼が回覧板の類を回すとき決まって小さなカードにささやかなメッセージを書いて挟んでいるのを微笑ましく思っている。そういうやりとりをするのはたいてい、顕現順の都合もあり大倶利伽羅とだった。大倶利伽羅の文具沼入りの原因は彼にもある気がする。
926この本丸の大倶利伽羅と乱は仲がいい。と思う。と言ったらきっと大倶利伽羅はいつものように馴れ合うつもりはないと主張するから敢えて言うことはなかったが、鶴丸からしてみてみればふたりは仲がいい。
大倶利伽羅は乱の次に顕現したようで、乱は大いに彼を構ったという。残念ながら鶴丸が顕現したのはそれから半年も後のことだからその光景を見ることが叶わなかったのが残念なところである。
大倶利伽羅ほどではないが乱も文具の類が好きだ。彼が回覧板の類を回すとき決まって小さなカードにささやかなメッセージを書いて挟んでいるのを微笑ましく思っている。そういうやりとりをするのはたいてい、顕現順の都合もあり大倶利伽羅とだった。大倶利伽羅の文具沼入りの原因は彼にもある気がする。
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DOODLE詩集の話文具沼住人な大倶利伽羅くんと本の虫な鶴丸さん② 大倶利伽羅は主曰く、「文具沼の住人」である。鶴丸としてはいまいちよくわからないが、とにかく文具が好きで好きでたまらない者のことをそういうそうだ。対して鶴丸は、「本の虫」と呼ばれる。暇さえあれば部屋に積んだ本を読み耽り、一日を過ごすのだ。本の中は身近な驚きがたくさん詰まっている。
なにか本を貸してくれ。
大倶利伽羅がそう頼んでくるのは、そう珍しいことではない。特に新しいペンやインクを買ったときなど、その書き心地を試すため短歌や詩などの短い文章を書いてみたりするのだ。そういうとき、鶴丸は似合いの本を選ぶのが好きだった。
大倶利伽羅が今回買ってきたのは、夕焼けの空を思わせるガラスペンだった。軸は短く丸みを帯びていて、大倶利伽羅にしては可愛らしさを感じる一品である。
1139なにか本を貸してくれ。
大倶利伽羅がそう頼んでくるのは、そう珍しいことではない。特に新しいペンやインクを買ったときなど、その書き心地を試すため短歌や詩などの短い文章を書いてみたりするのだ。そういうとき、鶴丸は似合いの本を選ぶのが好きだった。
大倶利伽羅が今回買ってきたのは、夕焼けの空を思わせるガラスペンだった。軸は短く丸みを帯びていて、大倶利伽羅にしては可愛らしさを感じる一品である。
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DOODLEインクの話文具沼住人な大倶利伽羅くんと本の虫な鶴丸さん① 大倶利伽羅の部屋は物が多い。とにかく、物が多い。綺麗に整頓されているから散らかっているという印象は受けないのだが、私物の多さでいったらおそらく本丸一ではないかと鶴丸は思っている。
まず、万年筆だけで三十はある。そのほかにも、ボールペンだとかガラスペンだとか、書く道具だけでかなりの数になるのだ。それらは綺麗にケースに納められていて、大倶利伽羅は非番の日によくそれを眺めていた。表情筋が硬くなかったらそこに笑顔が浮かんでいたかもしれない。
筆よりも現代に出てきた筆記用具の方を好むようで、よく自分のノート(これもまた、大量にあるのだ)に和歌や漢詩を書き写している。書いている内容には興味なく、ただ書く題材として選んでいるだけのようで、真顔で恋の歌を書き写していたときは、流石の鶴丸も驚いた。
1338まず、万年筆だけで三十はある。そのほかにも、ボールペンだとかガラスペンだとか、書く道具だけでかなりの数になるのだ。それらは綺麗にケースに納められていて、大倶利伽羅は非番の日によくそれを眺めていた。表情筋が硬くなかったらそこに笑顔が浮かんでいたかもしれない。
筆よりも現代に出てきた筆記用具の方を好むようで、よく自分のノート(これもまた、大量にあるのだ)に和歌や漢詩を書き写している。書いている内容には興味なく、ただ書く題材として選んでいるだけのようで、真顔で恋の歌を書き写していたときは、流石の鶴丸も驚いた。