mizuni_saba
PASTテーマ 『贈り物』お借りしました。
※四年次学院外での生活でなぜか同棲しているレオヴィル設定です
※トレイくんとレオナさんの話
※ヴィルさまは出ません
恋人たちに祈りを込めて『贈り物』の仕方にもその人の癖が出るものである。よく、女性誌などで言われる話を例にあげると、『男性が、何の記念日でもない日に贈り物を買ってくるのは、なにか後ろめたいことがあることが多い』辺りではないだろうか。もちろん、全ての人がそういうわけではない。何か謝りたいことがあるとき、重要な事を伝える時なども贈り物をするし、本当に気まぐれに何かをおくる事もある。けれど、割とその人の贈り方はパターン化しているのではないかとトレイ・クローバーは実家のケーキ屋を手伝いながら、思うことがある。
「……」
閉店間際のケーキ店のイートインスペースで不機嫌そうに腕を組み、窓の外を眺めている男は、先月も似たような顔をして来店した。その表情から推測するなり、喧嘩でもしたのかもしれない。
1389「……」
閉店間際のケーキ店のイートインスペースで不機嫌そうに腕を組み、窓の外を眺めている男は、先月も似たような顔をして来店した。その表情から推測するなり、喧嘩でもしたのかもしれない。
mizuni_saba
PASTテーマ 『スペシャル・ディナー』お借りしました
※4年生に進級し、学院外の生活の中同棲している設定のレオヴィルです
君と食べる料理はトクベツ 目が覚めると最近、やっと見慣れてきた白い天井が見えた。パチパチと瞬きをすると、額にかかった焦茶色の髪をかき上げると、レオナ・キングスカラーはゆっくりと上体を起こした。どうやら、ソファで寝てしまっていたらしい。
「あー……」
ローテーブルの下に敷かれた柔らかいラグの上に転がっていたスマホがブーブー、と音を立てていることにようやく気が付いたらしい男は、少し面倒そうにそれを拾い上げると、通話ボタンと合わせてスピーカーのボタンをタップした。
『……やっと出た! もう、何回かけたと思ってるの?』
通話が開始されると同時に聞こえた、不機嫌そうな声に自然と笑みが零れる。これがビデオ通話であったなら、激怒されていたに違いない。きれいな眉を吊り上げながら不機嫌そうにこちらをにらみつけるバイオレットの瞳が、今は少しだけ懐かしくなる。顔を突き合わせていない時間などほんの一週間も満たないというのに。
1956「あー……」
ローテーブルの下に敷かれた柔らかいラグの上に転がっていたスマホがブーブー、と音を立てていることにようやく気が付いたらしい男は、少し面倒そうにそれを拾い上げると、通話ボタンと合わせてスピーカーのボタンをタップした。
『……やっと出た! もう、何回かけたと思ってるの?』
通話が開始されると同時に聞こえた、不機嫌そうな声に自然と笑みが零れる。これがビデオ通話であったなら、激怒されていたに違いない。きれいな眉を吊り上げながら不機嫌そうにこちらをにらみつけるバイオレットの瞳が、今は少しだけ懐かしくなる。顔を突き合わせていない時間などほんの一週間も満たないというのに。