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DONE #鋭百まんなかバースデー2023ひとりワンドロ 雰囲気だけ
みずたまりエスケープ 派手に降られたな、と呟くマユミくんの髪の毛の先から、ぽとり。透明なしずくが落ちる。キミの髪を伝ったならルビーみたいな色になってそうなのに、なんてバカな事を考えながらタオルを渡すと、ありがとう、と微笑まれた。
じんと痺れた指先は寒さのせいじゃない。じゃあ誰のせいだろう。
「明日、洗って返す。すまないが、傘も借りていいだろうか」
「……雨が止むまで、いてもいいよ」
「…………」
扉一枚隔てても聞こえる雨の音。マユミくんがちいさく息をのむ。困惑だろうか、それとも、……それとも。
「……いいよ」
顔を上げた先で彼がどんな表情をしていたのか、わからなかった。冷え切った体が、同じ温度の腕に抱き寄せられたから。重なった心臓がどくどくと早鐘を打っている。きっとマユミくんにも伝わってしまっているんだろう。
917じんと痺れた指先は寒さのせいじゃない。じゃあ誰のせいだろう。
「明日、洗って返す。すまないが、傘も借りていいだろうか」
「……雨が止むまで、いてもいいよ」
「…………」
扉一枚隔てても聞こえる雨の音。マユミくんがちいさく息をのむ。困惑だろうか、それとも、……それとも。
「……いいよ」
顔を上げた先で彼がどんな表情をしていたのか、わからなかった。冷え切った体が、同じ温度の腕に抱き寄せられたから。重なった心臓がどくどくと早鐘を打っている。きっとマユミくんにも伝わってしまっているんだろう。