ygdrsl1234
DOODLE楓のことを忘れてしまった雪風の話雪月花の時 最も君を憶ふ俺が生まれた時にすでに雪にぃはこの世に存在していて、当たり前のように今までそばにいてくれたから、ずっと並んで生きていけるような気がしていた。
俺は、ずっとあの雪にぃからの温かい感情を享受できるありがたさにあぐらをかいていたんだ。
雪にぃが生きている世界しか知らないのに。
ずっとそんな日常が続くとは限らないのに。
「おはよう、雪にぃ」
「.........」
ある朝、キッチンに立ちみんなの朝ごはんを作っていた雪にぃに挨拶すると雪にぃは手を止めてじっと俺の顔を見つめ返した。返事がないことに違和感を覚える。
「ん?俺の顔に何かついてる?」
「.........いや、気分を害したら悪いんだが...名前を聞いてもいいだろうか?」
4862俺は、ずっとあの雪にぃからの温かい感情を享受できるありがたさにあぐらをかいていたんだ。
雪にぃが生きている世界しか知らないのに。
ずっとそんな日常が続くとは限らないのに。
「おはよう、雪にぃ」
「.........」
ある朝、キッチンに立ちみんなの朝ごはんを作っていた雪にぃに挨拶すると雪にぃは手を止めてじっと俺の顔を見つめ返した。返事がないことに違和感を覚える。
「ん?俺の顔に何かついてる?」
「.........いや、気分を害したら悪いんだが...名前を聞いてもいいだろうか?」
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DOODLE雪楓(ゆきかえ)槇原敬之のMILKという歌のイメージ
MILK今日もうまくジャンプを飛べなかった。自分より遅くスケートを始めた子達ですら飛べているのに。今日こそは、と思ったのに。
このまま自分が続けても意味があるのか。父さんの期待に応えられるのだろうか。
忸怩たる思いを抱えて重い足を引きずり家に戻ると、出迎えてくれたのは歳下の従兄弟の明るい笑顔だった。
「雪にぃ、おかえり!」
俺を見て、にぱーっと花が開いたように咲くその笑顔は、疲れた俺の心を照らしてくれる。
「ただいま。JPNに戻ってきてたんだな」
「うん、さっき着いた!雪にぃに早くお土産を渡したくて!」
「そうだったのか、嬉しい。ありがとう」
小さな手のひらの上に乗っていたのは、スノードーム。キラキラと舞い落ちる銀の雪が、ドームの中の小さなスケートリンクの上に舞い落ちていた。スケートリンクの中には幾人かが滑りながら踊っている。
863このまま自分が続けても意味があるのか。父さんの期待に応えられるのだろうか。
忸怩たる思いを抱えて重い足を引きずり家に戻ると、出迎えてくれたのは歳下の従兄弟の明るい笑顔だった。
「雪にぃ、おかえり!」
俺を見て、にぱーっと花が開いたように咲くその笑顔は、疲れた俺の心を照らしてくれる。
「ただいま。JPNに戻ってきてたんだな」
「うん、さっき着いた!雪にぃに早くお土産を渡したくて!」
「そうだったのか、嬉しい。ありがとう」
小さな手のひらの上に乗っていたのは、スノードーム。キラキラと舞い落ちる銀の雪が、ドームの中の小さなスケートリンクの上に舞い落ちていた。スケートリンクの中には幾人かが滑りながら踊っている。