ぎんまる
完畢カブライ週ドロ週ライのお題「プロポーズ」で小話。カブの名前と大いなる勘違いについて。色々設定捏造してます
入れ筆はT「君って公文書に姓を書かないんだな」
書類の端に綺麗な筆致で書かれたサインを見ながら、ライオスはまるで今気がついたかのように呟いた。
いや、興味のないことにはとんと注意を払わないこの男のことだ。実際今まさに気がついたのかもしれない。
地方によっての例外はあるものの、大抵のトールマンは親から受け継いだ姓を名乗るものだ。例えばライオス・トーデン。トーデン家は爵位こそなくとも、代々北方の小さな村で村長を務めてきた格式ある姓である。
執務室の机を前に、ライオスがしげしげと見つめている書類の署名欄にはただ「カブルー」とだけ書かれていた。
「ミルシリルの養子ということでトール家を名乗ることは一応許されているんですが、どうもしっくりこなくて」
3357書類の端に綺麗な筆致で書かれたサインを見ながら、ライオスはまるで今気がついたかのように呟いた。
いや、興味のないことにはとんと注意を払わないこの男のことだ。実際今まさに気がついたのかもしれない。
地方によっての例外はあるものの、大抵のトールマンは親から受け継いだ姓を名乗るものだ。例えばライオス・トーデン。トーデン家は爵位こそなくとも、代々北方の小さな村で村長を務めてきた格式ある姓である。
執務室の机を前に、ライオスがしげしげと見つめている書類の署名欄にはただ「カブルー」とだけ書かれていた。
「ミルシリルの養子ということでトール家を名乗ることは一応許されているんですが、どうもしっくりこなくて」