凪誠士郎さんを捜しています　凪が行方不明になった。捜索の協力を求む。

　日本国内や世界各国に散る元[[rb:青い監獄 > ブルーロック]]入寮メンバーのもとへ、玲王から届いたのはそんな通達だった。
　一斉送信で送られてきた電子メールに目を通しながら、潔はかつてのライバルの姿を思い起こす。軽やかにピッチを舞う圧倒的な白。日頃は気怠く伏せられた目がゴールを前に[[rb:爛 > らん]]と光るのも、紫の閃光が尾を引くパスを受け取る超人的なトラップ技術も、誰もが羨む才覚を標準と信じて疑わないような無垢さも、久しく見ていない。凪は玲王と交わしたのだという約束とやらを果たし、まだこれからと活躍を期待される中、ずいぶんと若いうちに引退を表明した。表向きには｢サッカーで欲しかったものはぜんぶ手に入ったから｣と説明されていたが、天才の真意は定かでない。