はじめ
DONE2022/12/29 面あたWEBオンリー「うしろの正面体あたり」の企画作品でした。お題「炬燵」で小説を書かせていただきました。
イベントが無事に終わりましたので、パスを解除しました。
スペースに遊びに来てくださった皆さま、ありがとうございます。
炬燵 だだっ広い面堂邸のリビングに、これまた馬鹿みたいにでかい炬燵。長方形タイプの炬燵は特注で、優に二十人は入れそうだった。
「無駄に広い炬燵じゃな」
小さくぼやきつつ、端っこのスペースに座り込むと、およそ五メートルは離れた対面に座る面堂が勝ち誇ったように笑う。
「大は小を兼ねると言うだろ。ところで貴様は何しに来たんだ」
「何って、暖を取りにだよ」
寒いだろ、外。窓のほうを顎でしゃくり、また視線を戻す。炬燵の中は温かくて、冷えた足先に体温が沁みとおっていく感覚がした。今にも夢の世界に落ちてしまいそうだ。
「ったく、どこから入ったんだ」
今度は面堂がぼやく。
「門からに決まっとろ」
「門からぁ?」
「若のお友達じゃないですかあ、とそれはもうあっさりと」
2098「無駄に広い炬燵じゃな」
小さくぼやきつつ、端っこのスペースに座り込むと、およそ五メートルは離れた対面に座る面堂が勝ち誇ったように笑う。
「大は小を兼ねると言うだろ。ところで貴様は何しに来たんだ」
「何って、暖を取りにだよ」
寒いだろ、外。窓のほうを顎でしゃくり、また視線を戻す。炬燵の中は温かくて、冷えた足先に体温が沁みとおっていく感覚がした。今にも夢の世界に落ちてしまいそうだ。
「ったく、どこから入ったんだ」
今度は面堂がぼやく。
「門からに決まっとろ」
「門からぁ?」
「若のお友達じゃないですかあ、とそれはもうあっさりと」