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    はじめ

    @ysursay

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    はじめ

    TRAININGワードパレット
    17.築
    覗き込む/口を尖らせる/赤面する
    を使って書きました

    人気のない海の岩場で乳繰り合っているところを藤波父に目撃される面あた。
    入れようか最後まで迷って結局入れなかった文章を含め、加筆修正しました。
    なんでも許せる方向けです。
    父は子ども相手に妙に阿ることをしないと思う、という私の願望。
    father 浜茶屋の手伝いをするためにいつもの四人で海に来ていた。少し儚い夏の終わり。ぐずついた天気のおかげで、空には灰色の雲が浮かんでいた。
     ほんまにアルバイト代もらえるのかね。一抹の不安を覚えつつも、面堂と二人客引きを頼まれた。気乗りしないままに茶屋を出て、閑散とした浜辺を二人で歩いた。
     ざぷん、と荒々しい音を立てる波打ち際を横目で眺めつつ、声を掛ける客がいないのだから、商売なんて出来っこないだろうと呆れて口を尖らせる。
    「なあ面堂、本当にバイト代が出ると思うか?」
    「ぼくに聞くな、ぼくに」
    「にわかには信じられん」
     湿った砂浜をサンダルでざくざくと進んだ。小石を蹴ったり、打ち付けられた海藻を手に取ったりしながら退屈を散らしたが、重ぼったい砂の上は歩きにくくて、すぐに飽きた。気分が上がる水着のお姉さんがいないのだから、これは仕方のないことである。なあ面堂、とやけに整った横顔に話し掛ける。
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    はじめ

    DOODLE面あた
    名前を呼べばすっ飛んで来る関係。

    あたるくんの「面堂のばっきゃろーっ」を受けて0.1秒ですっ飛んでくる面堂くんも、呼べばすぐに来るって分かってる確信犯なあたるくんも大好きです。
    恋より淡い 校庭の木々の葉はすっかり落ちて、いかにも「冬が来ました」という様相をしていた。重く沈んだ厚ぼったい雲は今にも雪が降り出しそうで、頬を撫でる空気はひどく冷たい。
     期末テストを終えたあとの終業式までを待つ期間というのは、すぐそこまでやってきている冬休みに気を取られ、心がそわそわして落ち着かなかった。
    「――なに見てるんだ?」
     教室の窓から校庭を見下ろしていると、後ろから声を掛けられた。振り向かなくても声で誰か分かった。べつに、と一言短く言ってあしらうも、あたるにのしかかるコースケは意に介さない。
    「…あ、面堂のやつじゃねえか」
     校庭の中央には見える面堂の姿を目敏く捉え、やたらと姿勢の良いぴんと伸びた清潔な背中を顎でしゃくる。誰と話してるんだ、などと独り言を呟きつつ、あたるの肩にのしかかるようにして窓の桟に手を掛けている。そのまま窓の外の方へと身を乗り出すので危なっかしいたらありゃしなかったが、落ちたら落ちたときだ。
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