ariari2523_dai
DONEダイ君のご飯事情01 ポップ特製ホットミルクwithほんのちょっぴりのブランデー
原作軸。捏造設定。
ダイ君にただひたすら美味しいものを食べさせたり飲ませたりするだけの起承転結のほぼないシリーズです。ダイ君いっぱい食べておくれ。
ダイ君のご飯事情 01 ポップ特製ホットミルクwithほんのちょっぴりのブランデー ロモスの港を出航し、デルムリン島を経由してパプニカへと向かう巨大な帆船が、夜の海の波間を割って進んでいく。
ダイは舷に手をかけながら潮風を全身に受けていた。陽の高いうちは水平線の向こうに見え隠れしていた故郷の島影も、今はもうない。
それでもダイは星の位置を頼りにデルムリン島のあるであろう方角をひたすら見つめていた。夕食を摂り終えて寝室へと案内された後、寝支度を整えて部屋を抜け出してから、ずっとこうしている。
郷愁の想いに囚われているのかと尋ねられれば、おそらくダイは首を横に振るだろう。まだ幼い子どもの精一杯の強がりでもって。
ぶるりとダイは小さく身を震わせた。我知らず己の二の腕を撫で摩る。装備を外して上着はシャツ一枚の軽装だ。さすがに身体が冷えてきたらしい。
4345ダイは舷に手をかけながら潮風を全身に受けていた。陽の高いうちは水平線の向こうに見え隠れしていた故郷の島影も、今はもうない。
それでもダイは星の位置を頼りにデルムリン島のあるであろう方角をひたすら見つめていた。夕食を摂り終えて寝室へと案内された後、寝支度を整えて部屋を抜け出してから、ずっとこうしている。
郷愁の想いに囚われているのかと尋ねられれば、おそらくダイは首を横に振るだろう。まだ幼い子どもの精一杯の強がりでもって。
ぶるりとダイは小さく身を震わせた。我知らず己の二の腕を撫で摩る。装備を外して上着はシャツ一枚の軽装だ。さすがに身体が冷えてきたらしい。
ariari2523_dai
DONEechoes 1話原作終了軸。捏造設定。R18。
翼と牙の生えたダイ君と、そんな彼に寄り添うポップのお話のシリーズ1話目。
さいとも3のお題「青姦」でもあります。
echoes 1話 テランの森の奥深く、人が住むには少々手狭であろう小さな丸太小屋には、少年がふたりひっそりと人目を憚って暮らしている。数ヶ月前にふらりとやって来た彼らは空き家だった小屋を整えて、いつの間にか生活を始めていた。
もっともここ近年のテランの人口は三桁に届くことはなく、国民の多くが湖の周囲に居を構えている。彼らの多くは少年たちがそこに住み着いたことさえ気づいていないだろう。
その丸太小屋に隣接して、天をも突かんばかりの大きな樫の木が生えていた。艶やかに光る葉を乗せた枝はぐんぐんと四方八方に伸び、陽射しを受けては柔らかな影を地面へと落としている。
そんな重なった枝葉の隙間を縫って、春の柔らかな陽射しがひとりの少年の上へふんわりと降り注いでいた。癖の強そうな黒髪の、頬に傷のある小柄な少年だ。丸太小屋の住人のひとりでもある。名前をダイといって、もうひとりの住人である少年に手を引かれてここへとやって来ていた。
10020もっともここ近年のテランの人口は三桁に届くことはなく、国民の多くが湖の周囲に居を構えている。彼らの多くは少年たちがそこに住み着いたことさえ気づいていないだろう。
その丸太小屋に隣接して、天をも突かんばかりの大きな樫の木が生えていた。艶やかに光る葉を乗せた枝はぐんぐんと四方八方に伸び、陽射しを受けては柔らかな影を地面へと落としている。
そんな重なった枝葉の隙間を縫って、春の柔らかな陽射しがひとりの少年の上へふんわりと降り注いでいた。癖の強そうな黒髪の、頬に傷のある小柄な少年だ。丸太小屋の住人のひとりでもある。名前をダイといって、もうひとりの住人である少年に手を引かれてここへとやって来ていた。