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    #たけゆし

    bambooFat-bodied

    TougeHonda

    MOURNINGどこを着地点にしたかったか忘れました。もしかしたら織姫と彦星かも知れん(?)
    「竹内、」
     肩に掛かるだけの着物の隙間に、愈史郎が導くように手を引く。あんなにも触れたいと思っていた肌に触れられる。嬉しいはずなのに、怖い。
    「竹内、よく見ろ。感じろ」
     愈史郎の素肌は冷たかったが、触れた胸からとくとくと鼓動が伝わった。生きているんだと、安心する。そうして更に、離れ難いと思ってしまった。
    「俺を忘れるな、竹内。遺伝子に刻み込め」
     固まる竹内の首筋に猫のようにするりと顔を近づけて、愈史郎は囁く。吐息が皮膚を湿らせる。ぞくりと、いけないものが体を這う感覚。薄い唇から鋭い牙が覗いて、竹内の肌に柔く突き立てられる。愈史郎の胸に置き忘れた手を思わず小さな背に回すと、普段の態度が嘘みたいに従順に胸の中に収まった。なのに見上げてくる瞳があまりにも獰猛で、竹内は負けじと愈史郎の肩に掛かるだけの着物をするりと手で落としてオレンジ色の照明に晒された首筋に噛み付いた。息を飲む音が鼓膜を震わせる。小さい肢体を照明の下に曝け出して、シーツの波間を漂う素肌に背徳感と高揚が湧き立つ。なんとか理性をと荒い息を吐く竹内に蠱惑的に笑む。
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