ariari2523_dai
DONEディーノ君と約束の花冠(竜父子)if世界軸。捏造設定。
ディーノ君と隠棲パッパシリーズの最終話になります。
ディーノ君と約束の花冠(竜父子) 砦を包み込んでいる最後の戦いに挑む戦士たちの興奮と勝利への意気込みの混じった空気が、砦の最奥に位置するディーノの部屋にも届いてくる。
ディーノは身を起こすと、そっと寝台から抜け出して窓辺へと寄った。目を閉じて耳を澄ます。父であるバランか、もしくは誰か知った者の声が聞こえないかと思ってのことだったが、流石に声までは届かなかった。
「何をしている、ディーノ」
不意に声をかけられて、ディーノの両肩がびくりと跳ね上がる。背後の扉が開いて父が部屋へと入ってきた。
声を探ることに夢中になりすぎて、肝心の父の気配に気づかなかったらしい。己の粗忽具合に、思わずディーノは頬を朱に染めた。
「発熱は続いている。横になって身体を休めていなさい」
24365ディーノは身を起こすと、そっと寝台から抜け出して窓辺へと寄った。目を閉じて耳を澄ます。父であるバランか、もしくは誰か知った者の声が聞こえないかと思ってのことだったが、流石に声までは届かなかった。
「何をしている、ディーノ」
不意に声をかけられて、ディーノの両肩がびくりと跳ね上がる。背後の扉が開いて父が部屋へと入ってきた。
声を探ることに夢中になりすぎて、肝心の父の気配に気づかなかったらしい。己の粗忽具合に、思わずディーノは頬を朱に染めた。
「発熱は続いている。横になって身体を休めていなさい」
ariari2523_dai
DONEディーノ君と父への贈り物if世界軸。捏造設定。
ディーノ君と隠棲パッパのふたりです。
大魔王との戦いに赴くパッパに花冠を作りに行くディーノ君のお話。
バラダイWEBオンリー「ばらだいぱらだいす」展示SSになります。
ディーノ君と父への贈り物 息子のディーノの就寝時間も迫った頃。お願いがあると言って、ディーノが魔法使いの少年ポップとパプニカ王女レオナに左右を固められて目前に立ったのを、バランは片眉を軽く吊り上げて見やった。やたらと改まった三人の言動に、バランは内心嫌な予感を覚える。
「父さん、明日の朝からポップとレオナと一緒に……花を摘みに行きたいんだ」
「許可をいただけませんか、バラン殿」
「ここから徒歩で十五分ほどのところにある開けた草原地帯にが目的地だ」
すらすらと、まるで打合せたかのように言葉を継いで請願され、バランはそれぞれの顔を発言順に視界に留めた。明後日には大魔王の根城に攻め込むというのに、何を悠長なことを言い出すのか。
ましてやディーノは本調子には程遠い体調だ。数日前に毒刃を受けて以来、ずっと微熱が続いている。起き上がる程度ならともかく、動き回るのはもちろんのこと、長時間の会話すら体力的に厳しい状態だった。
8722「父さん、明日の朝からポップとレオナと一緒に……花を摘みに行きたいんだ」
「許可をいただけませんか、バラン殿」
「ここから徒歩で十五分ほどのところにある開けた草原地帯にが目的地だ」
すらすらと、まるで打合せたかのように言葉を継いで請願され、バランはそれぞれの顔を発言順に視界に留めた。明後日には大魔王の根城に攻め込むというのに、何を悠長なことを言い出すのか。
ましてやディーノは本調子には程遠い体調だ。数日前に毒刃を受けて以来、ずっと微熱が続いている。起き上がる程度ならともかく、動き回るのはもちろんのこと、長時間の会話すら体力的に厳しい状態だった。